胎児期のケガ【UG版】

過去に「胎児期のケガ」という内容のブログを書きました。

私の施術経験から、「胎児期に受けたであろう様々なストレスによって起こる身体反応」を胎児期のケガと表現して、自宅でできるケアの仕方までをブログにしました。

ですが、その自宅でできるケアの仕方が、親御さんたちを型にはめる恐れがあったのでブログを削除しました。

その後、胎児期のケガという考え方の根っこになっている、S・グロフの出生トラウマ(バース・トラウマ)という理論への理解も施術を通じて深まってきたので、アップグレード版(UG版)としてブログにすることにしました。

型にはめる恐れがあるので、自宅でできるケアの仕方は書いていませんし、この胎児期のケガという考え方も「絶対にそうである!!」ということではありません。

「金田はそういう考え方をしてるのだなぁ」くらいの感覚で読んでいただければ幸いです。

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※「胎児期のケガ」は、発達障害児、痛みや病気の人たちの施術を通じた金田の施術経験に基づいた独自理論となりますので、あらかじめご了承ください。

胎児期のケガ

私たちがお母さんのお腹の中にいるとき、お母さんが受けたり感じたりした何かしらのストレスの影響を私たちも受けています。

私たちには、侵害逃避反射という有害な侵害刺激から身を守る反射が備わっています。

有害な刺激といっても必ず痛みを伴う訳ではありません。侵害刺激と痛み刺激は同じではないからです。

痛みを感じているか不明な動物でも同様の反射を引き起こすことも研究で分かっています。

つまり、痛みとして認識しなくても、加わった刺激が有害な場合、僕たちは反射的にいのちを守ろうとするということです。

そのような反射が備わっているため、お母さんが何かしらのストレスを受けたとき、そのストレスによって胎児の身体も緊張します。そして、お母さんが受けた影響を脳が学習します。その学習によってまた無意識に身体が強張ります。

強張ることを繰り返すと自律神経系のバランスが崩れ、交感神経系が過度に優位になり、骨、筋肉、皮膚などに部分的な虚血状態が生まれます。

虚血とは、細胞に血は通っているが、酸素や栄養素が十分に行き届いていない状態です。

骨や筋肉が虚血状態に陥ると、骨や筋肉の形はしているけど役割を果たせていない状態になります。

そして、生まれてくるときも、急に子宮が締め付けられて苦しくなったり、暗くて狭い産道を通り抜ける怖さと肉体的な負担というストレスがかかり、その影響でも強張ることで虚血状態に陥る肉体部分があります。

それが「胎児期のケガ」です。

このような胎児期のケガは背骨~骨盤周囲に多く見られます。

※ここまでが過去に書いたブログになります。(自宅でのケアの仕方は除いています)

~S・グロフの出生トラウマ(バース・トラウマ)という理論~

第一段階:母親との原初の融合
臨床的出産が始まる前の子宮の状態。母親と子どもは、共生的融合状態を形成している。羊水の中で静かで暖かくなんの心配もいらない天国の状態。無条件の愛、安全、至福、宇宙との一体感などの核となる体験。母親の状態(病気、夫婦仲の悪さ、DV、両親から望まれない妊娠等、否定的な身体的、精神的条件がある場合)によっては、恐怖、不愉快な身体感覚、不安、嫌悪感の核ともなる。

第二段階:母親との拮抗作用
子宮口が閉じたままの状態で、子宮の強力な収縮(出産)が子どもを全方位的に締め付ける。子宮から閉め出されそうになるが子宮口が閉じているため出られない。出口なしの状況。圧倒的な苦痛、閉塞感、絶望的、罪悪感、劣等感、無力感、犠牲者などの核となる体験。

第三段階:母親との相助作用
子宮口が開き、産道を通過する困難かつ苦痛に満ちたプロセス。もっとも困難で苦痛に満ちた体験、産道の締め付けに押しつぶされそうな体験、窒息しそうな体験。胎児は、刻々と姿勢を変え、苦痛に満ちたこの窮屈な状態から逃れようとする。母親と子どもの目標は、お互いに苦痛を伴う状態に終止符を打つこと。自分が死につつあるというリアルな感覚を体験する。苦悩、性的興奮、冒険心、虐待、死と再生の闘争などの核となる体験。

第四段階:母親からの分離
緊張と苦痛が徐々に高まり、産道を通過し、突然の解放と安らぎ、リラクゼーションが訪れる。再生と救済の感覚、苦行を乗り越えたという達成感、平安と再生の感覚とともに子宮から追い出されたことによる孤独感などの核となる体験。

このS・グロフさんの出生トラウマという理論が絶対ではありませんが、完全否定もできません。

それこそ「こういう考え方もあるんだなぁ」というポジションでみることが大事だと思います。

ただ、私は施術での経験で、出生トラウマや愛着障害が、子どもの成長発達だけではなく、腰痛など筋骨格系疾患や不定愁訴などにも関与していることもあると感じています。

神田橋條治先生は著書のなかで胎児期の愛着障害について

・記憶のないトラウマは、ここにフラッシュバックが起こってることが認識できない状態
・つまりフラッシュバックしてくるのは気分だけだから癒される道がない
・「認識」によって乗り越えられる

とお話されています。(※私のとらえ方が間違っていなければ)

胎児期の愛着障害に出生トラウマが関係しているとするならば、胎児期のケガというのは、「記憶にはないけれど、私の身体には沁みついています。」というサインの一つだと考えることもできます。

そうすると、「わざわざ認識させようとしなくても、身体にアプローチすれば勝手に深層心理、無意識で認識される」とも考えることができます。

このような都合の良い考え通りことが起こるかどうかはわかりませんが、PTSD、トラウマなど、何かしらのストレスがかかったとき、生理的な反応、自律神経系の反応がでることは分かっています。

背骨や骨盤に注目するときには、その周囲に出ている生理的反応、自律神経系の反応をじっくり観察しアプローチを行うことは無駄なことではないと思います。

かねた整骨院

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