関節の中より外(軟部組織)から痛みが出ていることのほうが多い~膝痛【UG版】~

今回のブログは、2015年6月、正確にはこの日付はアメブロからWPに移行した日付なので、2015年6月よりもっと前に書いたものになりますが、それのアップグレード版となっています。

膝が痛くて病院に行き、レントゲンを撮ってもらうと、「変形してますね」「関節の隙間がなくなってますね」「軟骨が減ってますね」などと言われ、それが「痛みの原因です」という診断になることがとても多いですが、基本的に関節の中には痛みを伝える神経線維はほとんど分布してません。

何より、例えばその構造の故障が痛みの原因なら、構造を修理しない限り、24時間365日、楽になることも止まることもなく、ず~っと同じ痛みが続くはずです。

ですが、「こうすれば楽になる」「歩かなければ痛くない」など、楽になったり痛くなったりしている方がとても多い。

これは、関節の中よりも外(軟部組織)から痛みがでてることが多いという証拠にもなってくるのですが、外にアプローチするのは努力が必要なので、結局は「面倒くさい」というのが一番の問題なんでしょうね。

~ここから過去記事です~

一般的に膝が痛いと皆さんは関節内(軟骨・半月板)の心配をしちゃう。

気持ちはわかるけど、軟骨には痛みを伝える神経線維自体が存在しない。

つまりポリモーダル受容器は存在しないことになる。だから痛みを感じることさえできない。

子どものケア

半月板に痛みを伝える神経線維は存在するから、断裂などにおいてそこから痛みが生じていることは完全に否定できないけど、半月板損傷が痛みの原因だと判断する安定性・不安定性を完全に鑑別することはできず、しかも指標そのものがないため、手術して痛みがとれればそれが原因だったとなるのが現状。

しかも半月板の損傷は膝に痛みのない健常者の多くに見られるし(MRIの結果)、手術後の経過を観察すると再発している方もたくさん存在するという追跡調査の結果もある。

つまり、痛みがあってレントゲンやMRIで半月板の損傷が映っても、それがいつ発生したかを鑑別するすべもないし、鑑別するためには手術して痛みが止まるか止まらないかしかない、ということらしい。

なので、半月板損傷は必ずしも膝痛の直接的な原因にはならないことが多いといわれている。

以上のようなことにより、「膝が痛い」となったときは、関節内からではなく関節の外(関節周囲)の軟部組織から痛みが出ている場合がとても多い。

膝に水が溜まって痛い場合は、関節液内の痛みを伝える化学物質が濃くなっていて、それが関節包の痛みを伝える神経線維(ポリモーダル受容器)を刺激するため痛みが出ている。

だから注射で水を抜いてあげれば、痛みを伝える化学物質の濃度が下がるので痛みが楽になる。

水を抜けば濃度が下がるので痛みは楽になるはずだが、それで痛みが楽にならない場合は筋筋膜で痛みの悪循環が起こっている可能性が大いに考えられる。

そのような場合には、水を抜くだけでなく周囲の筋筋膜を緩めてあげて、痛みの悪循環を断ち切ることがとっても大切。

だからレントゲンとかの画像検査で、関節内に軟骨の擦り減りとか変形などの器質的な変化が見られても、その映し出された画像ばっかりに心を奪われないで、もっと関節の周囲をいたわってあげることが、膝の痛みを早く楽にすることに繋がるってこと。

~ここまで~

半月板からの痛みについて追記します。

半月板の外周1/4には侵害受容器があり滑膜にも近接してますが、それ以外は血管がないので基本的には膝軟骨と同様に関節液から酸素・栄養素を補給しています。

なので、半月板から直接痛みが発生している場合もあるし、軟部組織と複合している場合もあるはずです。

この半月板の痛みについてもブログにしてますので、興味がある方は見つけて読んでください(笑)

これから医療がさらに進歩すると、この構造問題を解決する技術は、例えば人工関節が鋼の錬金術師の機械鎧(オートメイル)化を実現できるまで進歩するかもしれないね。

外(軟部組織)へのアプローチは、新たな薬剤を使用した注射だろう。

なんだかんだで、何年経っても基本構造に変化はないだろうから、今後の医療制度を見据えて、セルフケアの知恵を増やしておくといいかもしれませんね。

かねた整骨院

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