痛みに関する脳領域(pain matrix:ペインマトリックス)その4

その4

【視床(thalamus)】

◆視床(thalamus)

・嗅覚以外の全ての感覚情報が経由する

・感覚や運動情報の中継核

・間脳の中心(間脳の4/5を占めている)

※間脳・・・視床上部(手綱、手綱核、松果体、後交連で構成)、視床、視床下部で構成されている。

・Y字型の繊維性内側髄板という有髄繊維の束があり、前核群、内側核群、腹側核群、外側核群に大別される

【広義には】

・腹側核群は外側核群に含まれる

・内側核群の中にある髄板内核群が独自に分類されたり、内側核群に含まれることもある

・視床後部には内側膝状体と外側膝状体がある

・外側髄板と内包の中に網様核がある

・機能別では、特殊核(特異核)、連合核、非特殊核、視床手綱核に大別される

・痛みの情報伝達と関連があるのは、特殊核と非特殊核群

【特殊核】

・感覚情報を大脳皮質の感覚野に中継する核

・内側膝状体・・・聴覚の中継核

・外側膝状体・・・視覚の中継核

・腹側基底核群・・・痛覚情報と触覚情報の中継核

【非特殊核】

・脳幹網様体(核のようにはニューロンが密集せずに散在する領域)からの入力を受け、大脳皮質の広い範囲に出力する(大脳皮質とは直接結合していない)

・髄板内核群と正中線核群が含まれる

【腹側基底核群(VB complex)侵害受容ニューロン】

※腹側基底核群のほとんどは触覚の情報を処理するニューロンであって、侵害受容ニューロンは、周辺部にわずかに分布するだけ

・後外側腹側核(VPL)と後内側腹側核(VPM)で構成されている

・新脊髄視床路が終止している

・痛みの感覚的側面に関与

・VPL・・・脊髄支配領域の情報を伝達

・VPM・・・三叉神経領域の情報を伝達

・NSニューロンとWDRニューロンが局在している

・刺激が加わった部位の認識に関与してる

・後腹内側核・・・島皮質や大脳辺縁系に投射(脊髄後角の第Ⅰ層の侵害受容ニューロンからの入力をうける)

【髄板内核群(IL)】

・内側髄板の中にある神経核群

・前方核群と後方核群に分けられる

・主な投射先は大脳基底核(大脳皮質にも投射している)

・侵害受容ニューロンが含まれるのは、外側中心核(CI:前方核群に含まれる)と束傍核(Pf:後方核群に含まれる)

・旧脊髄視床路や脳幹網様体、結合腕傍核、中脳中心灰白質からの神経線維が終止している

・CIとPf・・・大脳基底核(尾状核と前障)、前帯状回、島皮質などに投射している

・Pf・・・偏桃体へも投射

・痛みの情動的側面に関与

・痛みに伴う、情動、動機づけ、覚醒反応などを担当

・μ受容体(オピオイド受容体の一つ)が分布している

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です