痛みに関する脳領域(pain matrix:ペインマトリックス)その2

その2

◆一次体性感覚野(S1)

・ブロードマンの脳地図(ブロードマン・エリア)における3野、1野、2野で構成されている

・痛みの知覚経路では、3➡1➡2の順で階層性の情報処理がされている

・視床の腹側基底核群からの投射がある

・ほとんどは触覚刺激に反応するニューロンだが、NSニューロンやWDSニューロンも分布している

・3野は3a野と3b野にわかれている

・3a野では深部感覚情報が再現されている

・3b野では表在感覚情報が再現されている

・ホムンクルスは3a野

・1野は体部位がオーバーラップされて再現

・2野はActive touch(能動的接触)による対象物の認識に関与している

・痛みの刺激の強度に比例して活動が増加

◆二次体性感覚野(S2)

・一次体性感覚野よりも深部に局在を持つ(腹側:外側溝の上縁に沿っている➡頭頂葉の中に広がっている)

・S1よりも高位で連合野としての機能を持っている

※連合野・・・ヒト特有の思考や認知を司る

大脳皮質感覚野と運動野の間あり、認知・思考・行動の制御・記憶など「高次の精神活動(知的活動)」を担う。

運動野や感覚野からの情報を統合し、その情報を基に行動を決定したり創造的思考を行う。

・バイラテラール・ニューロン(bilateral neuron)が多い

※bilateral neuron・・・片側の身体に感覚刺激を与えても両方の半球が活動する

・二次体性感覚野に病変があると刺激が痛みであると認識できない➡侵害刺激(身体が傷つくような刺激)の性質識別に関与すると考えられている。

・痛みの知覚・・・痛みを予測したり、痛みに注意を集中しているときに変化➡変化に関連している場所(予期や注意といった高次機能にも関与)

・認知的プロセス(注意、学習、記憶など)にも影響を受ける

・痛みの感受性の変化に関連する領域

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です