Fileその5【痛みの受容器】

Fileその5【痛みの受容器】

慢性痛(症)を除いて基本的に痛みは「末梢の侵害受容器(痛覚受容器)で発生した痛みの電気信号が脊髄を通過し脳の大脳皮質や大脳辺縁系などに到達することで痛みを感じる。」とされている。

侵害受容器には、

◆高閾値機械受容器・・・傷が出来るくらい強く刺激した時にだけ反応

・閾値・・・ある刺激で細胞の興奮が起こるか起こらないかの境界線の値

(刺激の強さがその値以上になって初めて反応が起こる値)

・機械・・・「物でつつくような刺激に反応する」ということ。

Aδ神経線維で伝えられる

この受容器からの情報は素早く(伝導速度=30m/sec以下)大脳の感覚野に伝えられ、身体の“どこ”が“いつ”痛みの刺激を受けたのか(痛みの局在・強度・質といった識別)という情報を正確に脳に伝える「一次痛」を引き起こす。

◆ポリモーダル受容器・・・様々な刺激(熱・機械・化学など)に反応(身体が傷つかないような非侵害刺激にも反応)専門化していない受容器

・「ポリ」・・・“多くの”という意味

・「モード」・・“様式”

C繊維で伝えられる

この受容器の情報はゆっくり(伝送速度2m/sec以下)と伝わり、どの部分が痛いのか、あまりはっきりしない(識別性が低く、局在は不明瞭)「二次痛」に関与

【痛みの経路】

外側脊髄視床路を通り、視床の腹側基底核群を経由➡一次体性感覚野、二次体性感覚野に到達

この経路は「新脊髄視床路」とも呼ばれ、痛みの知覚経路として考えられている

内側脊髄視床路を通り、視床の髄版内核群を経由➡島皮質、前帯状回、偏桃体、海馬などの大脳辺縁系に到達し、最終的には前頭前野に情報が伝達される。

この経路は「旧脊髄視床路」とも呼ばれ、痛みの情動・認知経路として考えられている

 

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