肉離れを早く治すコツ
肉離れを早く治すコツ
肉離れに限らず、捻挫や打撲などの急性外傷を早く治すためのコツは
- 正確な診断
- 損傷度合いに応じた治療
- 損傷度合いに応じたリハビリ
の3つになります。
今回は、この「肉離れを早く治すための3つのコツ」について説明していきます。
肉離れとは
肉離れとは、スポーツ動作中に自家筋力(拮抗筋の収縮)や介達外力によって筋肉が過度に伸ばされて、筋繊維などが損傷したり、断裂したりする怪我のことです。
自家筋力の肉離れの代表例は、陸上短距離で走っているときのハムストリングスや、テニスやバドミントンでの切り返し動作時の腓腹筋(ふくらはぎ)内側頭などです。
介達外力の肉離れの代表例は、ベンチプレスで筋トレ時の大胸筋断裂や、柔道やレスリングなどでのハムストリングス断裂などです。
自家筋力によるものより介達外力による肉離れのほうが、筋損傷の度合いが大きくなると言われています。
早く治すコツ その1 正確な診断
肉離れの診断には
- ストレッチ可能な角度と痛み
- 圧痛
- 徒手抵抗下での屈曲力
- 皮下出血と主張の状態
- MRIでの画像検査
がありますが、中でもストレッチ痛のチェックと早期のMRIでの検査が重要になります。
ストレッチ痛は、肉離れ後の経過観察やリハビリを開始する目安になりますし、早期のMRIでの検査は、肉離れの損傷度合いの確認に必須になります。
MRIの進歩により、MRI画像で肉離れは以下のような3つのタイプがあることが分かってきました。
Ⅰ型(軽症型)
筋肉内や筋間、筋膜の出血のみ認められ、筋腱移行部には損傷がない
Ⅱ型(中等症型)
筋腱移行部、特に腱膜に損傷が認められる
Ⅲ型(重症型)
腱または腱付着部の断裂や、筋腱付着部での引き抜き損傷
早く治すコツ その2 損傷度合いに応じた治療
肉離れをした部位や程度にかかわらず、肉離れ直後~48時間は、一般的な怪我と同じくRICE(安静・冷やす・圧迫・挙上)が基本的な処置となります。
損傷度合いに応じた治療は以下の通りです。
Ⅰ型(軽症型)
ストレッチをしたときに筋肉が引き伸ばされる感覚(ストレッチ感)があり、ストレッチ時の痛みがない、もしくば軽度であれば、歩行などの動作を確認して応急処置を行います。
その後は、ストレッチ感とストレッチ痛を確認しながら、ストレッチ感があり、ストレッチ痛が軽くなったらリハビリを開始します。
Ⅰ型(軽症型)の場合、1~2週間でスポーツ復帰が可能といわれています。
Ⅱ型(中等症型)
ストレッチ痛が明らかな肉離れは、応急処置をし、早急にMRI検査を行います。
肉離れをした場所の安静期間は2週間を基本として、痛みが楽になってきたら温熱療法をい開始し、歩行など日常生活動作をできる範囲で行います。
その後は、患部の状態をMRIなどで確認しながら、リハビリを開始します。
Ⅱ型(中等症型)の場合、スポーツ復帰には1~3ヵ月(平均6週間)かかります。
Ⅲ型(重症型)
Ⅲ型の場合は、保存療法よりも手術療法が選択されることが多いです。
術後は、MRIで肉離れをした部分の連続性が確認されてから、段階的にリハビリを開始します。
Ⅲ型(重症型)の場合、スポーツ復帰まで手術療法でも最低4ヵ月程度は必要で、6ヵ月以上かかる場合もあります。
早く治すコツ その3 損傷度合いに応じたリハビリ
肉離れを早く治すためには、焦らずにしっかりとリハビリを行うことが大事です。
ここでは、ハムストリングスの肉離れを例に簡単に説明します。
リハビリの基本的な流れは
- 関節可動域を回復させる
- 基本的筋機能を高める
- ランニング開始
- 専門種目の練習に復帰
- 試合に参加
になります。
リハビリの内容は
- ストレッチ
- 筋力トレーニング
- 持久力トレーニング
- マッサージ
- 温める
- アイシング
- 電気治療器の使用
などになります。
肉離れの予防
基本の予防法は
- ウォーミングアップをしっかり行う
- 練習後は時間をかけてストレッチをする
- 違和感を感じたらスポーツを休む
- しっかり疲れをとる
になります。
かねた整骨院では何ができるのか
肉離れの患者さんも、捻挫など急性外傷の患者さんも対応は変わりません。
損傷度合いに応じて
- マッサージ
- ストレッチ
- リハビリ指導
- 電気療法
- 温める
などを組み合わせ、回復をサポートさせていただきます。
患者さんの中には「整骨院にたくさん通えば早く治る」「有名な先生のところに施術に行けば早く治る」と思われている方がいらっしゃいますが、それは勘違いです。
肉離れが治り、スポーツに復帰し、試合に出られるまでは時間がかかります。
まずはしっかり予防をし、それでも肉離れをしてしまったら、
- 正確な診断
- 損傷度合いに応じた治療
- 損傷度合いに応じたリハビリ
を行いましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。