慢性痛は「脳」へのアプローチ
こんにちは。
金田です。
今回は、
- 病院で処方された薬を飲んでいるがなかなか治らない
- 整骨院などの治療院で施術を受けてもすぐ元に戻る
- 施術に効果が感じられない
など、いわゆる
- 慢性的な腰痛
- 慢性的な肩こり
- 四十肩(五十肩)
などの慢性痛には「脳」へのアプローチが大事!ということを書きます。
痛みは脳で感じている
腰痛でも肩こりでも、あなたを悩ませている痛みやこりは「脳」で感じています。
患部へのアプローチも大事ですが、慢性痛の場合は、この痛みを感じている脳への働きかけがとても大事になります。
感覚そして認知・情動
痛みは、脳の「痛い!」という感覚を処理する部分の他に、認知・情動を処理する部分でも感じています。
慢性痛の研究では、この感覚を処理する部分で痛みを感じなくなっても、認知・情動を処理する部分では痛みを感じていることが分かってきました。
つまり、脳に刻まれてしまった痛みの記憶が、認知・情動などをきっかけにして呼び起こされてしまうことで、脳が痛みを感じてしまうということです。
痛みの悪循環
このような状態になってしまうと、患部だけにアプローチしてもなかなか治らなくなりますし、
- 「痛みが怖いから動かさない(動作恐怖)」ことで、筋肉や関節が硬くなることで血流が悪くなる
- 血流が悪くなることで患部が痛みに敏感になる
- 自律神経のバランスが崩れる
- 不安やうつなど精神的にもダメージを受ける
- 痛みが酷くなる
など痛みの悪循環に陥ることになります。
側坐核
痛みを感じている脳の仕組みはとても複雑ですが、研究により、慢性痛には脳の「側坐核」という部分が深く関与している可能性があることが分かってきました。
側坐核は、元々脳に備わっている、いくつかの痛みを抑えるシステムのうちの一つである「脳内報酬系」の流れの中で重要な役割をしていると考えられています。
脳内報酬系では、食べ物や水はもちろん、恋をするとドーパミンが放出され快楽を感じることや、居眠りをするときにもドーパミンが放出されて快楽を感じることが分かっています。
この脳内で、快楽や達成感に関与する脳内報酬系で使われるドーパミンという神経伝達物質には、脳内モルヒネの放出を促進する働きがあります。
つまり、脳内報酬系の働きが活発になると、痛みが楽になったり、痛みを感じにくくなるということです。
ですが、慢性痛でお悩みの方は、不安やストレスにより、ドーパミン鎮痛系の中枢である側坐核の機能が低下していると言われてます。
その結果、元々身体に備わっている鎮痛システムの活動が低下し、うまく働けなくなることで、慢性的な痛みが改善されないと考えられています。
側坐核の働きを活性化させるには
このような理由から、機能が低下してしまっている側坐核にアプローチし、鎮痛システムがうまく働けるようにしてあげることで、慢性的な腰痛や肩こりが改善されたり和らぐことが考えられます。
側坐核の働きを活性化させるポイントは「達成感」です。
日常生活の中で、なんでもいいので無理なくこなせる小さな目標を設定し、それをクリアしていくのがいいと思います。
何をしたらいいか分からないときは、運動(エクササイズ)をしてください。
- 1分その場で足踏みをしてみる
- 3分散歩してみる
- 何かにつかまりながら10秒スクワットしてみる
はじめはこんな感じで十分です。
生活習慣の癖を見直す
それでも達成感を感じることが出来ない場合や、悪いことばかり考えてしまう場合は、自分の生活習慣の癖を見直してください。
- 考え方
- 捉え方
- 食事
- 入浴
- 睡眠
- 運動
- リラクゼーション
などを見直してみると、自分では当たり前にやっていたことが、実は頑張りすぎだったり、無理しすぎだったり、考え方や捉え方がネガティブすぎて非現実的だったりしていたことが分かってきます。
そこが分かってくると、達成感を感じやすくなりますし、その自分の生活習慣の癖を少しずつ修正していくことも達成感につながってきます。