児童生徒・保護者陸上競技講習会のケアセミナー終了しました。
令和3年10月31日(日)に長根山陸上競技場で行われた、大館市陸上競技会と大館市文教振興事業団共催の児童生徒・保護者陸上競技講習会。
今回、大館市文教振興事業団から依頼があり、初開催となるケアセミナーの講師を務めさせてもらいました。
「シンスプリントなど子どもたちが負傷したとき、各家庭で子どものために親ができることを伝えて欲しい」というのが主催者側のご要望でした。
家庭でケアするときに困るのは、「各病院や治療院(整骨院などの民間療法)の先生、コーチや監督、ネットの情報で言ってることがバラバラだから、どれを信じたらいいのか分からない」ことだと思います。
それぞれの経験による独自理論のみを伝えるので、親御さんもお子さんも混乱してしまうのでしょう。
でも、悩みごとを生理学や神経科学を基に整理してしまえば、家庭でケアするときも混乱しないで済みます。
病院に行くのはもちろん、家でもケアしたいのは、早く競技に復帰したい(させたい)からだと思います。
「競技中に痛みがでる」から復帰できないはずなので、簡単でいいので痛みのことをまず知ることが大事になってきます。
痛みの仕組みは科学で解明されてきてますし、医療(病院での治療や薬など)は、その解明されてきた痛みの仕組みを基に進歩してきました。
痛みが解明されてきたということは、組織回復の仕組みも科学的に解明されてきているということです。
ですので、
・シンスプリント、オスグットなどの概要(結合組織のダメージなのか、骨組織(軟骨)ダメージなのか)
・痛みや組織回復の科学的な仕組み(結合組織、筋組織、骨組織それぞれの回復過程など)
・痛みや組織回復の仕組みに基づいた、家でできるケアと予防
・ストレッチとパフォーマンス向上
という流れでお話させてもらいました。
ストレッチは、静的・動的を紹介し、パフォーマンス向上については、
・運動(身体の感覚)
・中枢神経⇔運動器官・感覚器官
・運動の学習、運動記憶(小脳)
・前庭覚、固有受容覚(バランスや自分の身体の位置)
・からだの余分な力を抜く(緊張と弛緩)
シンスプ、オスグッドのケア・予防のためのワークとして
・股関節のワーク(とくに内旋外旋・内旋しながらの伸展:大腰筋)
・足首のワーク(ショパール・リスフラン・趾など全体)
を紹介しました。
シンスプ、オスグットや他の脚のトラブル、腰痛を抱えるお子さんには、足(趾)はもちろん、股関節の動きの悪さやぎこちなさが目立ちます。(腰椎との関係性ももちろんあります)
特に、股関節を内旋させたとき股関節だけで動かせなく、中殿筋や腰方形筋で偽内旋を行っていることが目立ちます。
深層外旋六筋群や腰椎(3、特に4,5番)との関係性だと思います。
セミナー終了後は、質問に来られた保護者の方々に「その質問のようなときは、発達の遅れやヌケという視点でも、子どもを観察していくことが大事」とお話させてもらいました。
ご参会いただいた保護者の皆様、市文教振興事業団佐藤様、画像使用を快諾して下さった札幌市松田整形外科記念病院様、日本整形外科スポーツ医学会様、ありがとうございました。