子どもが負傷したとき家でケアする方法1 痛みのしくみ(きほんのき)

「子どもが負傷したとき家でケアする方法シリーズ」では、スポーツ少年団・クラブチーム・学校部活動中に子どもが負傷してしまったとき、各家庭で子どもさんのケアをするための方法をお伝えしていきます。

子どものケア

初めにお伝えするのは「痛みのしくみ(きほんのき)」です。

病院に行くのはもちろん、家でもケアしたいのは、早く復帰したい(させたい)、万全な状態でスポ少や部活動をやってほしいからだと思います。

負傷したときに子ども本人は「痛み」が一番気になるので、「お母さん、ここが痛い」と不調を訴え、そして、「動くと痛い」「動いた後に痛い」など、やはり痛みが気になるから復帰できないはずです。

なので、まずは痛みのしくみを知ることが大事になってきます。

痛みのしくみというのは、子どもからお年寄りまで共通して身体に起こる反応なので、例えば「かかりつけの病院や整骨院の先生、コーチや監督、ネットの情報で言ってることがバラバラだから、どれを信じたらいいのか分からない」という悩みもなくなります。

私は治療家で、痛みを研究している科学者や生理学者ではありませんが、治療院での施術に必要な範囲を理解したのと同じく、皆さんも「家庭でのケアに必要な範囲だけ」知っておけば十分なので、あまり難しく考えず、ゆったりした気持ちで行きましょう。

では早速。

図1

子どものケア

まずは、図1を見てください。

これは、子どもが「痛い!」と訴えている患部の略図になりますので、お子さんの状態に照らし合わせてください。

説明しますと

・細く黄色いのが末梢神経です。
・末梢神経の先のちょっと丸くなってる場所は受容器です。
・受容器には受容体というセンサーがついています。
・末梢神経の途中の光っているのは電気信号です。

・プロスタグランジンなどは、痛みを脳に伝える化学物質(発痛物質ともいいます)です。

次に図2を見てください。

図2

子どものケア

これを説明すると

末梢神経の先のちょっと丸くなってる受容器にあるセンサー(受容体)が、何かしら刺激を受けると「痛い」という情報が電気信号に変わり、その電気信号が脊髄を通過し脳に到達し、脳が電気信号に変換された情報を解読し「痛い」と感じる。

となります。

家庭でケアするときには、この「末梢神経の先の受容器にあるセンサーが、どんな刺激で反応してるか?」を考える必要があります。

続いて、「なにがセンサーを刺激しているか?」をお話しします。

なにがセンサーを刺激しているか?

子どもが負傷したとき、子どもの患部の末梢神経の先にあるセンサーはおおまかに

・身体が傷つくような刺激
・炎症によって起こる刺激
・組織の酸欠によって発痛物質濃度が高くなった刺激

で刺激されています。

それぞれ

【身体が傷つくような刺激】

ぶつけた(打撲)
捻った(捻挫)
走る、跳ぶ、ボールを投げる、ボールを打つなど、同じ動作を繰り返す
子ども自身の身体の許容範囲を超えた運動(オーバーワーク)

【炎症によって起こる刺激】

炎症

【組織の酸欠によって発痛物質濃度が高くなった刺激】

筋肉の緊張
交感神経活動の亢進
※血流が悪い

が考えられます。

なので、「なにがセンサーを刺激しているのか?」が予想できたら、次は「刺激に応じてケアする」を行います。

この「刺激に応じてケアをする」が、ストレッチやアイシング、温めるになりますが、それを説明する前に、筋肉を傷めたのか、靭帯を傷めたのかで回復の仕方が違いますので、次回は「組織の回復の仕方」を書き、その後実際のケアの仕方を説明していきます。

今回の最後に、「炎症」と「筋肉が緊張したり、交感神経活動の亢進が起こる要因として考えられること」を書いておきますので参考になれば幸いです。

炎症

赤みを帯び(発赤)
腫れあがり(腫脹)
熱をもち(熱感)
痛みが発生する(疼痛)

血管反応(血管拡張・血流増加、血管透過性亢進など)に起因した変化
炎症が生じると反射的、意図的に運動が抑制され、機能障害が発生する

炎症を引き起こす原因

◆外因(生体の外からの有害な刺激が原因)
・物理的因子・・・熱、機械的刺激、紫外線など
(具体例:火傷、捻挫(靭帯損傷)、打撲など)
・化学的因子・・・有害薬品など
(具体例:火傷、湿疹など)
・生物的因子・・・細菌、ウイルス、寄生虫など
(具体例:感染性関節炎、外傷後の化膿など)

◆内因(生体内の機能異常や障害などが原因)
・免疫システムの異常によるアレルギーや自己免疫異常
(具体例:アトピー性皮膚炎、関節リウマチ)
・代謝異常による炎症物質の産生
(具体例:痛風)
・臓器の機能異常
(具体例:肝炎)
・ストレスによる組織の破城
(具体例:腱鞘炎、変形性関節症)

筋肉が緊張したり、交感神経活動の亢進が起こる要因として考えらること

※筋肉が緊張したり、交感神経活動の亢進が起こると、血管が収縮し血流が悪くなり、プロスタグランジンなど(図1)化学物質(発痛物質)の濃度が高まり痛みがでます。

食事(栄養)
睡眠
スマホなどの見過ぎ
オーバーワーク
悩み
環境
いわゆるストレス
薬の飲み過ぎ
など

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