子どもが負傷したとき家でケアする方法3 足首の捻挫のケア

「子どもが負傷したとき家でケアする方法シリーズ」では、スポーツ少年団や部活動中に子どもが負傷してしまったとき、各家庭で子どもさんのケアをするための方法をお伝えしていきます。

今回は、「足首の捻挫」のケアの方法をお伝えします。

捻挫とは、「関節に力が加わり靱帯や関節包などの軟部組織が損傷される怪我」です。つまり、損傷の程度にちがいはあるけど「捻挫=靭帯損傷」ということです。

その捻挫が足首で起こったのが足関節捻挫です。

靱帯には多少の伸縮性があり、外力が加わると少し伸びます。さらに外力が加わると靱帯の一部分が切れ(部分断裂)、最後には完全に断裂します。

靭帯損傷の程度により
1度:靭帯がわずかに伸びた(痛みはあるが腫れはほとんどなく、歩いたり軽く走れる)
2度:部分的な断裂(痛みも腫れも強く、歩けるが走れない)
3度:完全断裂(痛みも腫れも酷く、皮下出血も顕著で関節に動揺性が見られ、骨折や脱臼を起こしていることもある。自分で歩くのはやっと)

となっており、競技復帰までは

1度:2~3日(当日から大丈夫なこともある)
2度:2~3週間
3度:1~2ヵ月

が目安となります。

足関節は構造上、横方向では外側より内側に大きく動くため、怪我をする頻度も内側にひねって起こることが多いのです。つま先が下を向いた状態で足首を内にひねる動作を内反といいますが、その方向に捻挫することが多いです。

足首外側の前距腓靭帯が先に損傷することが多く(部分損傷・完全損傷)、程度が強ければ踵腓靭帯をさらに損傷(完全損傷)すると言われています。

☆ケアの方法

捻挫=靭帯損傷です。

靭帯は結合組織なので、子どもが負傷したとき家でケアする方法2で書いた、「結合組織の回復の仕方」を参考にしてください。※痛みや腫れが強い場合は医療機関の受診をおススメします。

結合組織回復

捻挫をすると、炎症が起こります。

ですので、まずは炎症への対処が必要になります。

☆炎症が起こっているとき
・安静
・アイシング(「気持ちがいい温度」で冷やす)
・湿布などの鎮痛剤
・固定

炎症が落ち着いてきたら、今度は回復に必要な酸素や栄養素を患部に運び、患部にたまってる痛みの化学物質や老廃物を洗い流すために「血流をよくする」必要があります。

☆炎症が落ち着いたら
・温める(「気持ちがいい温度」で温める)
・足首の柔軟性を高める
・足全体の動きをよくする

◆予防のポイントは「足首を捻っても大きな怪我にならないようにできるか?」です

・無理な練習はしない(子どもの成長に合わせたトレーニング)
・ウォーミングアップをしっかり行う
・足首の柔軟性を高める
・足全体の動きをよくする
・股関節の柔軟性を高める
・足~下腿筋群の過度の緊張をゆるめる
・テーピングやサポーター

※子どもが負傷したとき家でケアする方法シリーズは、万人に共通して起こる生理学的、痛みの神経科学的な反応をもとに書いています。

ですが、自宅でのケアで一番大事なのは、例えば

・股関節の動きはどうなってるか?
・股関節と骨盤、腰椎の動きはスムーズか?
・足の指ふくめた足全体の動きはどうか?
・腰はきまっているのか?
・背骨はきちんと発達しているのか?
・脳は疲れていないか?
・睡眠の質はどうか?
・栄養状態は?
・そもそも身体は上手く使えているのか?
・練習量は我が子にとって適切なのか?
・「休むとレギュラーから外される」など余分なプレッシャーはかかっていないか?

など、

☆心、身体、環境など色々な角度から
☆子どもをよくみて
☆子どもの要求(サイン)をくみとり
☆我が子に合わせたケアを行う


ことです。

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