子どもが負傷したとき家でケアする方法6 温める
「子どもが負傷したとき家でケアする方法シリーズ」では、スポーツ少年団や部活動中に子どもが負傷してしまったとき、各家庭で子どもさんのケアをするための方法をお伝えしていきます。
今回は、「温める」について説明していきます。
子どもが負傷すると、基本的には炎症が起こりますので、炎症が起こってるときには状態に合わせて冷したほうがいい場合もあります。
※詳しくは「回復の仕方の違い」をご覧ください
炎症が落ち着いた後は、回復に必要な酸素や栄養素を組織に運ぶために、そして痛みの基になっている発痛物質を洗い流すためにも血液の流れをよくする必要がありますので、冷やすよりも「温める」ことが大事になります。
家で手軽に温める方法としては、
・お風呂に入る
・蒸しタオルなどのホットパック
の2つがあります。
お風呂は何となくイメージできると思いますので、今回はホットパックについて、まずは「どうやって温めればいいのか?」からはじめ、次に「どんな効果があるのか?(生理学的効果・ケア効果)」という順で説明していきます。
どうやって温めればいいのか?
温める温度は「温かくて気持ちがいい」を目安にしてください。温める時間は、ぬるくなる前に温めなおして15分~30分と言われています。
身体から余分な力が抜けていると、血流は良くなりやすいです。
ケガをしたり身体に心配な部分があると、交感神経系の活動が亢進するので血管は収縮し血流が悪い状態になっています。
「温かくて気持ちがよい」という感覚は、交感神経系の過度の活動を抑えてくれるので、自律神経のバランスが整い血流が良くなります。
ここまでをまとめますと
・「温かくて気持ちがよい」温度で
・ぬるくなる前にホットパックを温めなおして15分~30分患部を温める
となります。
お子さんに合わせてご活用ください。
どんな効果があるのか?(生理学的効果・ケア効果)
生理学的な効果としては
・血管拡張
・酸素分圧上昇(酸素量が増える)
・筋リラクセーション
・知覚神経終末の鎮痛作用
・代謝の増大
・皮膚発汗の増大
・毛細血管圧と細胞透過性の増大
ケアの効果としては
(上記のような生理学的な効果により)
・痛みが楽になる
・過度な筋収縮、長く続く筋緊張の改善
・傷ついた組織の回復が早まる
となります。
※ホットパックをもう少し詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
「筋肉の温度が高くなると筋力はアップするけど持久力は低下し、筋肉の温度が下がると筋力はダウンするけど持久力は上がるなど」を書いています。