急性腰痛の施術について~その1~
こんにちは。
かねた整骨院の金田隆佳です。
今回から2回に分けて、ギックリ腰など急性腰痛の施術について書いていきます。
腰が痛くなったとき
- 病院に行った方がいいのか
- 整骨院に行っても大丈夫なのか
- どの整骨院に行ったらいいか
と迷ったとき参考にしていただければ幸いです。
では早速。
はじめにお伝えしておく必要のあること
腰が痛くなったとき、まずは以下をチェックしてください。
- 原因不明の体重減少がある
- 転んだあとから強い痛みが出た
- 最近とても疲れやすい
- 痛みで眠れない、目が覚める
- 排便排尿障害(尿や便が漏れる)、つまづくようになった、つま先が上がらない、感覚がないなど(馬尾症状)
このような場合は、骨折、悪性腫瘍、感染性脊椎炎、関節リウマチ、強直性脊椎炎、内臓疾患、血管系の疾患(大動脈)など、命に係わる重大病変が隠れている場合がありますので、すぐに病院で精密検査を受けてください。
上記のような状態でない場合は、自宅で様子を見るか、整骨院など民間療法を活用するか、という選択肢になります。
かねた整骨院の考え方
他の整骨・整体院ではどのような考え方で施術されているか分かりませんが、かねた整骨院では、腰痛でお困りの方に安心して施術を受けていただけるよう、医療機関との連携も考慮し、「痛みの仕組み」に基づいて、腰の痛み(腰痛)の施術を提供しています。
続いて、その「痛み」について簡単に説明します。
急性腰痛の「急性痛」について
痛みには急性痛と慢性痛がありますが、「急に腰が痛くなった」場合は急性痛になります。
急性痛は、体の異常を知らせる警告信号で、命を守るために備わっている機能です。
体の中に、火災報知機や警報装置があるとイメージしてもらえば分かりやすいと思います。
急性痛は、図のように
全身に分布している痛覚受容器という痛みのセンサーが刺激されて興奮し、それによって生じた電気信号が脊髄を通過して脳に到達し痛みを感じます。
ですので、急に腰が痛くなったときは「なにで痛みセンサーが刺激されて警報装置が作動しているか?」を考える必要があります。
痛みセンサーを刺激しているものは何?
では、なにが痛みセンサーを刺激しているか?ですが
- 身体が傷つくような機械的刺激
- 炎症によって起こる刺激
- 血流が悪くなって発痛物質濃度が高くなる
が考えられます。
身体が傷つくような機械的刺激は、例えば、包丁で指を傷つけたときや、どこかを捻ったりぶつけたりしたときのような刺激です。
腰であれば、常に腰を野球のバットなどで叩いているとか、そういうのですね。
ですので、対処法は、「身体を傷つけるのをやめる」になります。
炎症によって起こる刺激は、これははじめに話した、骨折、悪性腫瘍、感染性脊椎炎、関節リウマチ、強直性脊椎炎、内臓疾患、血管系の疾患(大動脈)が考えられます。
最後に「血流が悪くなり発痛物質濃度が高くなる」ですが、ここが急性腰痛の施術を行うとき、とても大事になります。
腰がいたくなったとき、重大な病変よりも、椎間板ヘルニアなど画像に映し出された構造の問題を過度に心配される方がいらっしゃいますが、研究により、腰痛の80%~85%は原因不明の非特異的腰痛と言われており、レントゲンなどに映し出された椎間板ヘルニアなど画像所見と痛み症状は必ずしも一致しないことが分かっています。
そして、急性腰痛も、安静にしたりお風呂に入ると楽になったり、仕事などで無理をすると痛みが増えたり、ストレスにより痛みがでたり悪化したりしますが、これは筋肉からでる痛みの特徴です。
となると、重大病変を除いた急性腰痛のほとんどは、筋肉からの痛みなのではないか?と想像ができます。
筋肉の緊張と自律神経
急に腰が痛くなったとき、重大病変を除けば、椎間板ヘルニアよりも筋肉からの痛みの場合が多いと考えることができますが、そこには、筋肉の緊張と自律神経が関係しています。
この図を見ていただきたいのですが
説明しますと、「筋肉の緊張が長く続いたり筋肉に負担をかけていると、血流が悪くなり、筋肉が酸欠状態になり、発痛物質が痛みセンサーを刺激しますし、痛みセンサーの興奮は交感神経系の活動を亢進させ、血管を収縮させます。その結果、血流が悪くなり、筋肉が酸欠状態になり、発痛物質が痛みセンサーを刺激するという悪循環が作られます」となります。
つまり、
- 何が筋肉を緊張させてるか?
- 交感神経系の活動が亢進されているのはなぜか?
を探れば、「急に腰が痛くなったとき、どの施術を行えばいいのかが分かる」ということになります。
今回は以上となります。
次回、急性腰痛の施術について~その2~では、「かねた整骨院では実際にどのような施術を行うのか?」を書いていきます。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!!