古傷や無意識に余分な力が入ってる場所も、患部の痛みに関係している可能性がある
「体性感覚領域には疼痛受容器の地形図はない」
外側脊髄視床路(外側系)は一次体性感覚野、二次体性感覚野に信号が到達するので、例えば手首を痛めた場合「手首が痛んでますよ」と、体の部位別に痛みは再現されるのだけど、「手首のどこどこの受容器からの信号ですよ」という細かいところまでは区別してないということです。
「慢性痛はボディマップの構造も変えてしまう」とも言われてますので、例えば「慢性的に腰が痛い」場合、昔痛めた手首から信号が送られても、疼痛受容器の地図はないんだからボディマップの構造が変化している場合、本来は手首からの痛み信号なんだけど、それを腰痛として認識する可能も十分考えられるということ。
つまり僕ら施術者は、患者さんの「ここが調子悪い」という訴えに対して患部だけではなく「古傷」や「余分に力が集まっている場所」など、色々な角度からみていくことが大事ということです。
患者さん側も「古傷や無意識に余分な力が入ってる場所も、患部の痛みに関係している可能性がある」という考え方を持っていると、セルフケアなどをする場合、選択肢が増えると思います。