子供の身体作りで大事なのは、発達段階を見極め、そこを丁寧にたどっていくことです。
身体の動きは、胴体の「左右・前後・捻じる・伸び縮み」という動きからはじまり、それが手足の動きに繋がっていきます。
胴体の動きは背骨・骨盤・胸骨の動きの連動でなりたっています。
その部分がちゃんと動けていると、手足もスムーズに動くようになってきます。
スポーツでも武道でも、競技を続けていると
・頑張ってるのになかなか結果に結びつかない
・練習してるのに技術が向上しない
・苦手が克服できない
という悩みがでてきますが、多くの人は「テクニックを勉強する」や「筋トレ」で悩みを解決しようとします。
それは悪いことではありませんが、テクニックを勉強しても筋トレをしても、おもったように上手くならないし、苦手は苦手のままと、根本的な解決にはなっていないように感じることが多いです。
なぜそうなるのか?というと、「身体が使えていない」からです。
はじめに書きましたが、身体は、胴体の動きからはじまり、それが手足の動きに繋がっていきます。
胴体の動きは背骨・骨盤・胸骨の動きの連動でなりたっていて、そこがちゃんと動けていると、手足もスムーズに動くようになってきます。
これが出来ていないので、体幹を鍛えても、筋トレしても、テクニックを学んでも、それが実にならないのです。
逆に言うと、身体を使えるようにして、そこからテクニックを身につけて、筋トレすると、その効果が抜群に現れるようになりますし、これまで学んだ技術や鍛えた身体をフル活用できるようになる、ということです。
なので、競技を続けているとでてくる悩みを解決するためには、「まずは身体を使えるようにしていく土台」を整えることが大事になってきます。
「身体を使う」ということは「運動」ということです。
運動というのは、身体の感覚、つまり、固有受容覚や前庭覚、その他触覚、視覚などの感覚を脳が上手に処理することで出来るようになりますし発達していきます。
固有受容覚とは、関節の曲げ伸ばしや筋肉の動きを脳に伝える感覚です。この感覚のお陰で、私たちは無意識のうちに手足や背中など、身体全部の位置がどこにあるのかが分かります。
この固有受容覚の認識が弱いと、自分の身体の位置がハッキリしないので、上手く身体が使えなかったり、人や障害物との距離がつかめずぶつかってしまったり、人の間に入るのも怖くなったりします。
前庭覚とは、身体をまっすぐに保つのに必要な感覚です。前庭覚がうまく使えないと、姿勢の自動調整が難しくなります。
このように、「運動器官⇔感覚器官⇔脳・脊髄の情報交換」によって運動できるようになっていきます。
つまり、身体を使えるようにしていく土台を整えるというのは、
「運動器官⇔感覚器官⇔脳・脊髄の情報交換を、今よりスムーズにしていく」
ということです。
では、どのようにして土台を整えていけばいいのか?ですが、
・胎児から赤ちゃんの運動発達
・脊椎動物の移動様式の変化
・動きの発達4段階と原始反射
に着目し段階を見極め、そこを丁寧にたどっていくといいです。
子供たちが、自分の身体を存分に使い、やりたいことができるようになるためには、「脳と身体のつながりをスムーズにしていく」ことがとても大事です。
これは運動だけではなく学習にも深く関係してきます。
金田
「脳と身体のつながりをスムーズにする動き」は、筋力トレーニングや技の形、技法などの土台となります。
子供たちが自分の身体を存分に使えるように、やりたいことができるような身体になるために必要な土台です。
これは、感覚統合やコーディネーショントレーニングとはまた別の、「動きの発達」「胎児から赤ちゃんまでの運動発達」「原始反射の成長」などといった知見がもとになった考え方です。
※理解を深めたい方は花風社の書籍を読んでみてください。