慢性痛(慢性疼痛)の分類
こんにちは。
金田です。
かねた整骨院のブログへようこそ。
慢性の腰痛、慢性の肩こりなど「慢性痛(慢性疼痛)」という病態がありますが、腰痛や肩こりだけではなく、慢性痛には多くの病態があります。
慢性痛で悩み、苦しんでいても、「どこに行ったら適切な治療が受けられるかすら分からない」という方はたくさんいらっしゃいますが、世の中の多くの方は、
- 急性痛と慢性痛(慢性疼痛)の違い
- 慢性痛の種類
を知らないのが現状です。
医師や民間療法を提供する治療家も、知らないことがとても多いです。
日本でも集学的治療を受けられる痛みセンターが出来て、欧米をはじめ世界各国で推奨され定着し始めている
- 活動維持
- 運動療法(エクササイズ)
- 集学的リハビリテーション
- 認知行動療法
が受けられるようになってきましたが、秋田県内にはありません。
慢性痛の治療が受けられる環境の整備が遅れている原因には
- 医療保険制度上の問題
- 慢性痛と慢性痛医療に対する理解の遅れ
だと言われています。
医療保険制度上の問題は僕たちにはどうすることもできませんが、「慢性痛への理解の遅れ」に対しては色々出来ることはあります。
一人でも多くの方に「慢性痛(慢性疼痛)という病態があり、薬を飲んだり、マッサージを受ければ治る急性痛とは治療法も異なる」ことを知っていただきたいです。
今回は「慢性痛の分類」について書きます。
ICD-11
2022年1月1日に国際疾病分類第11版(ICD-11)が発効され、はじめて慢性疼痛の分類コードが加えられました。
ICD-11の慢性疼痛分類コードは、国際疼痛学会(IASP)のタスクフォースによって開発された慢性疼痛分類に基づいています。
IASPの慢性疼痛分類は、2018年に厚生労働行政推進調査事業(慢性の痛み政策研究事業)として進められた「(代表者:牛田享宏)慢性の痛み診療・教育の基盤となるシステム構築に関する研究班」厚生労働省研究班と、診療科横断的に慢性の痛みを取り扱っている7学会で構成しているペインコンソーシアムが協力して作成した慢性疼痛治療ガイドラインに採用されています。
※現在は改訂版が発行されています
分類の特徴
ICD-11の分類の特徴ですが、慢性疼痛3カ月以上持続または再発する痛みと定義した上で,
- 慢性一次性疼痛
- 慢性二次性疼痛
に分けたことです。
慢性一次性疼痛のサブカテゴリーには
- 慢性広汎性疼痛(線維筋痛症を含む)
- 複合性局所疼痛症候群
- 慢性一次性頭痛または口腔顔面痛
- 慢性一次性内臓痛
- 慢性一次性筋骨格系疼痛(顔面以外)
などの慢性疼痛症候群が含まれます。
慢性二次性疼痛は基礎疾患や組織障害による二次的な疼痛で、病態や身体部位によってさらに6つのカテゴリーに分類されています。
- 慢性がん関連疼痛
- 慢性手術後および外傷後疼痛
- 慢性神経障害性疼痛
- 慢性二次性頭痛または口腔顔面痛
- 慢性二次性内臓痛
- 慢性二次性筋骨格系疼痛
分類とコードの詳細はこちら、「小山なつ先生のサイト(痛みと鎮痛の基礎知識)」をご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。