痛みの原因別種類

Fileその17【痛みの原因別分類】

・侵害受容性疼(nociceptive pain)

・神経障害性疼痛(neuropathic pain)

・心因性疼痛(psychogenic pain)

に分類することができる。

●侵害受容性疼痛(nociceptive pain)

・一次侵害受容ニューロン末端の侵害受容器の興奮(電気信号)から起こる痛み

・痛みを伝える神経線維の種類によって、一次痛と二次痛に分けることができる

※例えば、テーブルの脚に小指をぶつけたとして、その時瞬間的に「痛でっっ(;゚Д゚)」と感じるのが一次痛で、その後にくる「ズキズキ」「ジクジク」する痛みが二次痛

・一次痛を伝えるのはAδ神経線維で受容器は高閾値侵害受容器。身体が傷つくような強い刺激にのみ反応

・二次痛を伝えるのはC繊維で受容器はポリモーダル受容器。慢性化するほど痛みの場所の判別が難しくなる

それぞれの受容器が興奮して発生した電気信号が脊髄を通過し、脳(大脳皮質や大脳辺縁系)に到達して「痛い」と感じる

・ポリモーダル受容器は痛みに感ずるブラジキニン・プロスタグランジンなどの化学物質、物理的な刺激、熱刺激など様々な刺激に反応します。そして非侵害刺激(身体が傷つかないような弱い刺激)にも反応

・基本的な痛みの原因は、このポリモーダル受容器の活動

●神経障害性疼痛(neuropathic pain)

・神経が障害されたときに起こる痛み。

・神経が障害される原因としては、外傷・ウイルスなど

※帯状疱疹後神経痛や幻肢痛が有名

・神経そのものが障害されると脱髄(Aδなどの有髄繊維の軸索繊維を覆う髄鞘が壊れちゃうこと)が起こり、異所性発火が起こったり、触覚神経なんかと混線してエファプス(他の神経の興奮を伝えてしまう現象)が起こったり、侵害受容器やDRG(後根神経節)に交感神経の受容体ができちゃうことでアドレナリンやノルアドレナリンに反応してしまい痛みが誘発されるようになってしまうと言われている

「末梢神経の障害による痛み」

・帯状疱疹後神経痛 

・糖尿病性神経障害性疼痛

・幻肢痛  

・複合性局所疼痛症候群CRPS TypeⅡ(昔のカウザルギー)

など

【中枢痛】

・脊髄損傷 

・脳卒中など

※アロディニア、痛覚過敏、自発痛、灼熱痛など様々な知覚異常を伴ったりすることも多く、交感神経の過剰興奮症状(発汗・心拍数増・皮膚温異常など)が起こることもある

●心因性疼痛(psychogenic pain)

・心因性疼痛は、はっきりとした器質的疾患(筋肉や内臓などがダメージを受けている状態)や機能的疾患(筋肉や内臓などの組織にダメージはないけど、その働きが上手くいってない状態:消化できていないなど)がなかったり、あったとしてもその原因では患者さんが訴えている痛みと合致しない場合で、いわゆるストレスなどの心理的な要因が大きく影響している痛みのことを言う

※つまり「訴える痛みが心因的なものでしか説明することができない状態」のこと

・はっきりとした痛みの原因がある状態に伴って出現する精神的な症状は心因性疼痛には含まれない

※例えば「痛みの原因がわかって治療をしっかりしているのに、なかなか良くならなくて不安だし、もう一生治らないのかと考えたりして怖くなっちゃう」など

・国際疾病分類(ICD-10)では、身体表現性障害に属している

・DSM-Ⅳ―TR(アメリカ精神医学会が定めた診断の指針)では、疼痛性障害として心理的要素のある痛みとして定義づけされている

かねた整骨院

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