椎間板ヘルニアと腰痛
【椎間板ヘルニアと腰痛】
・椎間板ヘルニアに起因する腰痛は、椎間板自体の侵害受容器刺激による交感神経由来の痛み(後縦靭帯などに分布する交感神経由来の刺激も考えられる)で、下肢症状(いわゆる坐骨神経痛)はヘルニア塊による神経根刺激症状(圧迫や炎症)と考える事が、腰椎椎間板ヘルニアの症状説明に最も適しているらしい。
・椎間板に存在する侵害受容器が興奮し痛み信号に変換された電気信号は脊髄に送られる前に、交感神経節を介し上位中枢に送られるルートと傍脊椎交感神経幹を介し上行しDRG(後根神経節)を経由して脊髄へ伝達されるルートがあるらしい。
・椎間板繊維輪外層に存在する椎骨洞神経は、椎間板が損傷を受けると椎間板内部に伸びていき、内部の炎症に反応して痛みを引き起こすらしい。
・変性椎間板の多くは無症候性だが、有痛性椎間板では炎症性サイトカイン(TNF-αなど)の関与が指摘されているらしい。
・変性椎間板では、その修復過程において神経成長因子やTrkA受容体がアップレギュレーションされ、侵害刺激に対する椎間板疼痛閾値を低下させて、病的変性を促進するらしい。
・無症候性と有痛性を鑑別するのは困難ならしい。
などなど「らしい」だらけなのが椎間板ヘルニア。
椎間板ヘルニアを代表とする椎間板の変性で、腰下肢痛や異所性発火をなんとか説明しようとしているんだけど、色々な書籍を読めば読むほど訳がわからなくなる・・・。
変性椎間板では、疼痛閾値を低下させ病的変性を促進するが多くは無症候性?
理屈が正しいんだったら、ヘルニアになったらすべてが有痛性にならなければいけないんじゃ~ないの?
疼痛閾値が低くなっているということは、個人差はあるけど、ささいな刺激で痛みが引き起こされるはず。それも繊維輪外層の椎骨洞神経の受容体にはC繊維も含まれているらしいから、色んな刺激を感知しちゃうはず。
なんでL3~5の侵害刺激だけ交感神経幹を経由するルートになってるの??
いくら腰痛を伴わないで下肢痛みを訴える例の存在を説明できないとしても、ちょっと強引なんじゃない?
神経根刺激(圧迫や炎症)は侵害受容器を介さずに直接下肢に痛みがでているけど、それは神経障害性疼痛なの?CRPStypeⅡのような感じ?
椎骨洞神経が椎間板内に伸びていくということは、神経が切断された後に起こるのと何が違うの?
交感神経幹や交感神経節を介しているということは、交感神経依存性疼痛(SMP)とはどこが違うの?交感神経末梢が関わらないから違うってこと?
なんでここまで椎間板変性だけが他の痛みの仕組みと違うと言われているのか疑問だよな。
それでも結論付けると、100%否定はできないけど、「椎間板ヘルニアは腰痛や下肢痛と関係ない」ってなっちゃう。