関節のズレや歪みと腰痛
【関節のズレや歪みと腰痛】
岩村吉晃先生の著書にこんなことが書いてある。
・関節受容器の活動は筋収縮の有無に影響される。
・筋収縮により、関節受容器の応答する関節角度の幅が増加する。
・現在、関節受容器の位置感覚への貢献についてはほぼ否定的である。
などなど色々書かれている。
要するに、関節のセンサー(受容器)が筋肉の緊張を誘発している訳じゃ~なくて、筋肉が関節をコントロールしているということで良いんでないかな。
関節の硬縮についても、原因は結合組織や筋肉など軟部組織の機能的変化によることがとても多いので、関節の動きを良くするためには軟部組織を良くしていく必要があるとされている。
関節包の中で1~2㎜関節の動きを良くしてあげると痛みは良くなるって言われてる治療法もあるけど、なんで良くなるかは解っていないとのこと。
皮膚の動きも、関節の位置感覚に非常に関与しているって報告もあるし、皮膚が関節運動に関係しているとも言われている。
腱はストレッチしても粘性は良くなる(伸ばされた腱がちゃんと元に戻りやすくなる)けど、柔らかくはならない。
腱がそうなら、靭帯や関節包なんかは関節を引っ張ったって圧迫したって柔らかくならないだろうし、ボキッと矯正したところでどうなる訳じゃないと思う。
というよりも、そんな簡単に歪んだりズレたりすること自体がないんじゃないかな(靭帯や関節包で関節がの意味が無くなるよね)。
背骨も骨盤も結局は「関節」。
関節っていうのは、靭帯や関節包によって簡単に壊れたりしないようになっている。
関節を「動かす」のは筋肉。
筋肉が縮んだままの状態でいると、関節に影響が出たままになっちゃう。
例えば、肘関節(どこの関節でもいいですけど)。
上腕二頭筋(肘を曲げる筋肉)が縮まるから、肘が曲がる(屈曲)。
決して関節が「肘動け~」っていって筋肉を縮めるからじゃない。
背骨や骨盤だって同じ。
背骨や骨盤を動かす筋肉が伸び縮みして、はじめて背骨や骨盤が動く。
身体の使い方は人それぞれ違うから、当然骨への負荷や筋肉の使い方にも個人差がでちゃう。
そうすると、骨のリモデリングでも負荷がかかってる方とそうでない方だと変化に違いが出るだろうし、筋肉の付き方にも影響がでる。
だからいわゆる「歪みやズレ」っていうのは、生活しているうえで必然的に起こる現象なんじゃないかな?
ただそれがあるからと言って必ずしも悪さをする訳ではない。
なにかの条件が重なったとき、筋肉の伸張性が低下して、筋膜に影響が出て、コラーゲン組織に影響がでちゃうと骨格筋の変化に由来した拘縮のようになるから、関節に目が行ってしまってるだけだと思う。