野球肘(離断性骨軟骨炎)

その8【野球肘(離断性骨軟骨炎)】

僕は小学校のころ野球をやっていたけど、いわゆる野球肘にはならなかった。たぶんそんなに一生懸命練習しなかったのが良かったんだと思う(笑)

けど、中学校に入学し柔道部に入り「背負い投げ」を練習し始めてから、肘の痛みに悩まされた。最終的には肘に負担がかからないような技に変更してやっと肘の痛みから解放された。

僕の昔話はさておき、今日は野球肘(離断性骨軟骨炎)をちょっと考えてみる。

WBCだって投球制限があるし、プロだって休みながら投げるのに、2連投、3連投の話や、1年間に130試合以上する例はまだある。少年期にそこまでしなければならない理由はない。環境は30年前から何も変わっていないと。

子供の野球肘は「おとながつくっている病気」だと、30年前から野球肘の検診や臨床に携わっている、徳島病院整形外科の岩瀬 毅信先生は言っている。

その岩瀬先生と共に徳島大学で野球肘をはじめスポーツ外傷・障害について臨床・研究に携わってこられ、現在は東京厚生年金病院の整形外科部長である柏口 新二先生によると、野球肘のなかでもっとも重症な離断性骨軟骨炎の考え方が変わってきているという。

「日常生活からわかった離断性骨軟骨炎の真実」という図を見てみると、

・外力によって骨軟骨が損傷される

軟骨下骨の病変(壊死)からはじまる

・関節炎の為に離断する

離断によって非特異的関節炎が起こる

・外力によって発生

スポーツ経験がない子にも発生するため、外力は発生因子ではなく憎悪因子の可能性

・13から17歳によく見られる

発生は11歳前後が多い(症状を発症し病院を受診するのが13から17歳)

・遺伝的素因の関与

・早期発見されると離断せずに修復・癒合

となっている。

ん~、すべり症みたいに、実年齢ではなく骨年齢で考えた方が良さそうだね。

というか、これはもう「壊死」だから、想像しているいわゆる野球肘レベルの問題じゃない。

11歳前後の子供に一定の割合(0.3から1%?)で発生する、ペルテス病(股関節の骨端症)やパンナー病(肘の骨端症)と同じような疾患と言われているし。

肘に負担がかかるスポーツやってる子が痛みを訴えたら、アイシングや休むだけでなく、この病気のことをわかっているDrに診てもらった方が良さそうだ。

もちろんスポーツしてないけど「原因不明の肘の痛み」を訴える子も同じ。

なにが隠れているのかは、専門家に診てもらわないとわからないよな。

もう昔と違うのよ。

大人は、子供が楽しく大好きなスポーツをいつまでも続けられるようにしてあげるためには、昔の理屈を子供に押し付けないようにしないといけないよな。

その「大人」には、医師や治療家ももちろん含まれているよ。

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