これはぎっくり腰ですか?
こんにちは。
かねた整骨院の金田です。
今回は、急性腰痛症(椎間捻挫とも呼ばれている)、いわゆるギックリ腰について書きます。
急性腰痛と慢性腰痛
日本整形外科学会のガイドラインでは、
- 発症からの期間が4週間未満のものを「急性腰痛」
- 4週間以上3カ月未満のものを「亜急性腰痛」
- 3カ月以上のものを「慢性腰痛」
に分けています。
特異的腰痛と非特異的腰痛
そして、腰痛は
- 特異的腰痛
- 非特異的腰痛
に分けれられます。
特異的腰痛というのは、「明確な原因がある腰痛」のことです。
原因としては
- 腫瘍(脊椎腫瘍など)
- 感染症(脊椎カリエスなど)
- 骨折(椎体骨折など)
- 椎間板ヘルニア?
- 炎症(強直性脊椎炎など)
- 内臓性疾患(消化器系・泌尿器系など)
- 血管系疾患(大動脈瘤など)
などがあります。
非特異的腰痛というのは、「明確な原因がない腰痛」のことです。
ぎっくり腰とは
ぎっくり腰は、
- 突然の強い痛みを伴う
- 原因がハッキリわからない(非特異的腰痛)
- 急な腰痛(急性痛)
の俗称です。
痛みが出ると、全く動けなくなる人もいますし、動けても腰が関係するほぼ全ての動作で痛みがでます。
例えば
- 起き上がる
- 歩く
- 寝返りをうつ
- 横になる
- 椅子に座る
- 椅子から立ちあがる
- シャツを着る
などです。
これはぎっくり腰ですか?
ぎっくり腰かどうかを判断するためには、まずは検査をして原因の有無を調べる必要があります。
- 検査をしても明確な原因がない
- でも腰が痛い
場合、それはギックリ腰だと言えます。
ただし、これは私個人の体験からの意見ですが
- 検査をしても明確な原因はない
- ある特定の動きだけで痛みがでるが、他の動きでは痛まない
という場合、ぎっくり腰ではないと考えています。
それは筋肉痛です
私も過去に何回もギックリ腰を体験しましたので、ぎっくり腰、遅発性筋痛(いわゆる筋肉痛)の違いは体験しています。
これも私個人の意見ですが、ギックリ腰になると程度にかかわらず、ほとんど全ての動作で痛みがでます。
いわゆる筋肉痛の場合は、ある特定の動作でのみ痛みがでます。
例えば
- 起き上がるときには痛いけど起きてしまえば他の動作は大丈夫
- 前かがみになるときには痛いけど、他の動作では痛みはでない
- 動き出しは痛いけど、動いてしまえば大丈夫
などです。
なので、例えば「小さい子どもを抱っこしながら一日動物園を歩いてたら、次の日の朝起きたら腰が痛くなっていた」というのはぎっくり腰ではなく、腰の筋肉の遅発性筋痛の可能性が高いです。(検査をして異常がなければほぼ筋肉痛です)
遅発性筋痛は、負荷がかかった筋肉にでることが多いように感じます。
心配なら検査を
腰が痛くなったとき、まずは以下をチェックしてください。
- 原因不明の体重減少がある
- 転んだあとから強い痛みが出た
- 最近とても疲れやすい
- 痛みで眠れない、目が覚める
- 排便排尿障害(尿や便が漏れる)、つまづくようになった、つま先が上がらない、感覚がないなど(馬尾症状)
このような場合は、骨折、悪性腫瘍、感染性脊椎炎、関節リウマチ、強直性脊椎炎、内臓疾患、血管系の疾患(大動脈)など、命に係わる重大病変が隠れている場合がありますので、すぐに病院で精密検査を受けてください。
上記以外でも、心配なら医療機関で検査を受けて下さい。
ぎっくり腰は整骨院や整体で治りますか?
ぎっくり腰になった場合、整骨院や整体で治るのか?ですが、「施術の効果が出るときと出ないときがある」というのが正直なところです。
施術方法に再現性がない、つまり、「その状態のときには、この施術をすれば効果が出るよね」というパターンがないので、施術の効果が出るのは「たまたま・偶然」だと思っています。
ぎっくり腰を含む急性腰痛の治療戦略には
- 痛みが酷いなら安静にする(2日以上の安静は逆効果)
- 痛みが落ち着いてきたら、可能な範囲で日常生活や仕事を続ける
- 鎮痛剤などで症状をコントロールする
- 腰痛に対して適切な知識を持つ
ことが大事だとされています。
これは、私の経験上でもそうだと思っています。
なので、ガイドライン及び、私のこれまでの経験を踏まえ、かねた整骨院ではギックリ腰になったら
- 痛み止めを飲みながら、まずは安静(2日くらい)
- それでも動けないほどの痛みが治まらないなら病院で検査
- 動けるようになったけど、ある特定の動作での痛みが治らない場合は徒手療法もあり
というスタンスで施術をしています。