筋膜リリースについて

こんにちは。

かねた整骨院の金田です。

今回は、「筋膜はがし」と呼ばれることもある、筋膜リリースについて説明します。

筋膜とは

筋膜は

  • 筋肉を包んでいる膜
  • 内臓、血管、神経、リンパ管を包む膜

のことです。

お互いが連結して、全身にはりめぐらされています。

筋肉を包んでいる筋膜は、浅筋膜(せんきんまく)、深筋膜(しんきんまく)、筋外膜(きんがいまく)、筋周膜(きんしゅうまく)、筋内膜(きんないまく)と連続して層になっています。

筋膜は、コラーゲン繊維(膠原繊維)とエラスチン繊維(弾性繊維)いうたんぱく質でできていて、85%が水分なので、筋膜にトラブル(機能異常)がない限りサラサラな状態です。

筋膜の役割

筋膜は

  • 筋肉が収縮するときにスムーズに動くのを助ける
  • 筋肉を保護する
  • 抗重力姿勢を保持する
  • 内臓、血管、神経、リンパ管を支えて通過させる

といった役割をしています。

筋膜にトラブル(機能異常)が起こると

筋膜にトラブル(機能異常)が起こると、筋膜が癒着したり、ねじれたりします。その結果、

  • 筋膜全体の滑りが悪くなる
  • 筋肉の動きが悪くなる
  • 姿勢が保ちにくくなる
  • 内臓、血管、神経、リンパ管が圧迫されて循環障害などが起こる
  • 怪我が治りにくい
  • 怪我が治った後も調子が悪い

などが起こると言われています。

筋膜に機能異常が起こる原因

筋膜に機能異常(トラブル)が起こる原因は

  • 瘢痕
  • 炎症
  • 筋硬結(筋肉の異常な収縮)
  • 姿勢の悪さ
  • オーバーワーク
  • 身体への過度な負担
  • 精神的なストレス

などと言われています。

筋膜の癒着とは

筋膜のコラーゲン繊維(膠原繊維)は、正常な場合は規則正しく配列されていますが、例えば、スポーツや筋力トレーニング、悪い姿勢などで筋肉に負荷がかかると配列が変わり、よじれたりねじれたりして筋膜の密度が高くなります。

筋膜の密度が高い状態が続くとコラーゲン繊維内の水分が少なくなり、サラサラした状態からドロドロした硬いゲル状になります。

コラーゲン繊維が硬いゲル状になると、コラーゲン繊維とコラーゲン繊維の間がくっついてしまうことがあります。

この、コラーゲン繊維間がくっついた状態を、筋膜の癒着といいます。

筋膜リリースとは

筋膜リリースとは、筋膜のねじれを解きほぐす(リリース)ことでコラーゲン繊維間の癒着を除去しようとする手法です。

施術者が指などで深い場所まで圧迫する方法、ストレッチ、フォームローラーで行うものや、病院で行うハイドロリリース(注射器で生理食塩水を注入し癒着をはがす)という治療法があります。

筋膜リリースで期待できる効果

筋膜リリースを行うことで

  • 血流改善
  • リンパの流れ改善
  • 筋膜組織の再編
  • 痛みやコリ、疲労の改善
  • 柔軟性の改善
  • 可動域の改善
  • 身体バランスの改善
  • 運動パフォーマンスの改善

などの効果があると言われています。

筋膜の癒着・筋硬結・瘢痕・筋スパズムの違い

筋膜の癒着、筋硬結、瘢痕、筋スパズムは、それぞれが痛みやコリ、運動パフォーマンスの低下などに関係していますが、ネットで施術法を調べるときに、なにがどうなのか混乱される方がほとんどだと思うので、違いを簡単に説明します。

筋膜の癒着
筋肉への負担でコラーゲン繊維がねじれた結果、コラーゲン繊維間がくっついてしまった状態のことです。

筋硬結(いわゆる「筋肉のコリ」)
筋肉の持続的な収縮と血液やリンパ液の循環不全によって、筋繊維の一部が硬くなった状態のことです。

瘢痕(いわゆる「かさぶた」)
擦り傷や切り傷が治るときにできる傷跡のことです。
肉離れなどの怪我でも瘢痕ができますが、瘢痕は筋肉ではなく傷を治そうとしてできる脆くて弱い組織です。

筋スパズム
痛みなどが原因となり、筋肉が持続的に収縮し過度に緊張している状態のことです。

筋膜リリースをすれば治るのか?

一般的なマッサージ(揉みほぐし)や整体などの効果を感じられなかった場合は、筋膜リリースを試してみるといいと思います。

ですが、痛み・コリ・しびれなどでお悩みの場合は、施術法よりも、自分の痛みは急性痛なのか慢性疼痛なのかを冷静に判断することがとても大事です。

急性痛の場合は、一般的なマッサージ(揉みほぐし)・整体法・トリガーポイント療法・筋膜リリースなど、患部にアプローチする施術法の効果を感じられやすいですが、慢性疼痛の可能性がある場合、患部へアプローチしても効果を感じられない場合がほとんどです。

違いを簡単に説明すると、急性痛は患部のポリモーダル受容器からの痛み(侵害受容性疼痛)ですが、慢性疼痛(神経障害性疼痛や痛覚変調性疼痛)は、患部に原因がなくても、痛みの情報を処理している脳が勝手に痛みを感じているからです。

慢性疼痛の場合は、生活習慣の見直しや改善を行いながら、心身のコンディションを整えるために、自分に合った施術法を活用するのがいいと思います。

かねた整骨院

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