姿勢維持筋の緊張と弛緩がスムーズになる=呼吸器が発達する

「呼吸中枢は脳幹にある。では、呼吸中枢への入力はどこからなのか?」という疑問が生じたので、免疫組織学的実験データを元に、求心性入力がどこから生じるかについて調べたところ、そのひとつに三半規管に反応する前庭核からの入力があることが分かった。

なぜ呼吸と三半規管がつながるのか?

三半規管とのかかわりをキーワードにして、バランスをとること、つまり、姿勢制御と呼吸の関係に着目した。

被験者に心電図をつけ、閉眼片足立ち、開眼片足立ち、頭のみを傾けた状態、頭を揺らしながらなど、様々なパターンで実験したみたが、どれも通常時と比べて呼吸リズムが速くなることが分かった。

視覚バランスを崩しての実験でも、身体を元の状態まで引きもどそうとしても呼吸が速くなることが分かった。

「バランスを保つために呼吸が速くなるのか、呼吸が速くなったからバランスが崩れたのか、後先は分からないけど、呼吸と姿勢制御が関わり合ってることがわかりました」

さらに、呼吸のリズムを計測するとき、呼気(吐く時間)と吸気(吸う時間)を分けて計測したら、呼気が長いことが分かった。

「呼吸筋には姿勢維持筋と重複したものが多い」

「呼吸を整える」ということにおいて、無意識下で行われるのは呼気。

無意識に吐くことで、姿勢を整えてるのではないかと考えられます。

北一郎医学博士の研究です。

この研究を参考にすると
・「姿勢維持筋の緊張と弛緩がスムーズになる=呼吸器が発達する」ということ
・「呼吸器が発達してくる→上手く息を吐けるようになる→姿勢維持筋の緊張と弛緩がスムーズになってくる」ということ
が考えられます。

目と耳が大きく関係していることは言うまでもありませんが、子どもの成長発達のためには身体アプローチが有効であるということですね。

腰痛など筋骨格系疾患の場合も同じことが考えられます。

呼吸に関する部分で大事なのは「腸骨」で、腸骨の働きをスムーズにするためには「あし全体(足・脚・趾)」が大事です。

あし全体の骨で身体を身体を支えれていないと、関係する筋肉に余分な緊張がかかります。

「姿勢維持筋への過度の負荷(余分な力)⇔呼吸がしんどいので組織の酸欠が起こる」ことで、痛みの悪循環がおこり、そこから抜け出せなくなる可能性もあります。

子どもの成長・発達にも痛みにも、「姿勢維持筋と呼吸器の関係」を参考にしてみると色々な策が見つかると思います。

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