心地よい皮膚刺激×知覚探索(自分の身体に問う)=小脳の発達促進
小脳が最も活性化するのは、感覚情報をあつめ、それを選別し知覚弁別するときであるという報告がある。
素材の弁別と大きさの弁別時の小脳の活動を記録した実験(ただ感覚刺激を加えるのではなく、知覚探索を被験者に求める)で、小脳歯状核は皮膚刺激による弁別課題、つまり、純粋な感覚刺激に対して作動した。
これによって、本来は出力核である歯状核に活動を認められたことは、単なる感覚刺激による活性を意味しておらず、予期や表象といった運動イメージを伴っていることが考えられることが分かった。
※小脳は運動を統合する機能より、能動的な触覚弁別に働く
※小脳歯状核は、手指の運動を出現させない皮膚の感覚刺激により活動する
という研究成果もある。
この小脳の知覚弁別は、脳の他の部位における情報処理が効率的に行えるように機能したものと考えられている。
そして、小脳において感覚情報を獲得、監視、調節することによって、その情報を運動制御そのものを行う一次運動野へ投影するのではないかと考えられている。
と、畿央大学教授、医学博士の森岡周先生の書籍に書かれています。
ということは、家庭でも
・皮膚刺激を加える(触圧覚→Aβ神経線維→「気持ちいい」がベース)
・子どもに知覚探索してもらう(子どもに「自分が触られている部分」に集中してもらう「どんな感じがするのか?」など)
をすると、小脳の活性化につながると考えても間違いないと思います。
黒田洋一郎先生の記事に書かれてる
「発達障害の子どもでも、脳のほとんどの神経回路は正常で、ごく一部の高次行動のみに異常があることに注意すべき。症状の多様性は、異常の起こった神経回路・シナプス接続部位が多様なだけ。発達障害がある人の場合は、高次機能を担って同時に発動するはずの部位の同期性が弱く、皮質―小脳間・皮質―扁桃体などの長い神経回路の接続不良が問題」
の、皮質―小脳間結合はスムーズになるということではないでしょうか。
☆心地よい皮膚刺激(触圧覚→Aβ神経線維)
☆子どもに知覚探索してもらう(自分の体に問う)
ここを、我が子に合うように、我が子のからだの要求に応えられるようカスタマイズするのは家族の腕の見せ所ですし、相談に来られるお子さんのためならば支援者の腕の見せ所。