椎間板ヘルニアは腰痛の原因なのか?
こんにちは。
かねた整骨院の金田です。
今回は、レントゲンやMRIといった画像検査の結果、映し出された椎間板ヘルニアなどの構造的な変化は腰痛の原因なのか?について書きます。
まずは研究データを
腰痛にはたくさんの研究データがあります。
その一部に以下のようなものがありますので、まずはそれをご覧ください。
■20~80歳までの腰痛未経験者67名を対象にMRIで腰部椎間板を分析した結果、21~36%に椎間板ヘルニアが、50~79%に椎間板膨隆が、34~93%に椎間板変性が確認されたことから、手術の選択は慎重にすべきと結論。http://1.usa.gov/knGWuH
■20~80歳までの腰痛未経験者98名を対象にMRIで腰部椎間板を分析した結果、少なくとも1ヵ所以上の椎間板膨隆が52%、椎間板突出が27%、椎間板脱出が1%確認されたことから、腰痛下肢痛患者の異常所見は偶然の可能性。http://1.usa.gov/l2kc0U
■椎間板ヘルニアと診断された強い腰下肢痛を訴える患者46名と、年齢、性別、職業などを一致させた健常者46名の腰部椎間板をMRIで比較した結果、健常者の76%に椎間板ヘルニアが、85%に椎間板変性が確認された。http://1.usa.gov/iN3oKG
腰痛の原因になるのか?
上記以外にも、「画像に映し出された椎間板ヘルニアなどの構造的変化は腰痛の原因ではない可能性がある」という研究データがたくさんあります。
日々の施術でも、
- MRIまで撮ったけど異常はなかった。でも腰の痛みが治らない
- 昔ヘルニアだと言われたけど、手術しなくても治った
など、「画像に映し出されたものと症状が一致しない」という現象に遭遇することがとても多いです。
痛みのメカニズムが完全に解明された訳ではないので、椎間板ヘルニアが腰痛の原因説を完全否定できませんが、私は、そこまで心配する必要はないと思っています。
画像に映し出された椎間板ヘルニアなどの構造的な変化よりも、redflags(命に係わる重大病変)が除外されれば、あとはエビデンスなどを基に
- 痛みの仕組み(急性痛・慢性痛)
- 神経障害性疼痛(神経痛)の鑑別
- 心理社会的因子(yellow flags)
などから考えた方がいいと日々感じています。
情報を活用してください
医療情報は、Pubmedなどの専門サイトには信頼できる情報がありますが、ちょろっとネットで検索すると、そこには
- 恐怖を煽る情報
- 急性痛・慢性痛の仕組みを知らない人が書いた記事
など「???な情報」がたくさんあります。
特に、民間療法を提供している人たちがそのようなフェイク情報を書いていることが多いです。
腰痛など筋骨格系疾患だけではなく、痩せる(ダイエット)や妊娠など関してもそうですね。
フェイク情報により不安や恐怖が強くなると、簡単に詐欺的治療家に騙されますし、腰痛からの回復が遅れてしまいます。
騙されないよう、回復できるように、なるべく根拠のある情報を活用してください。
最後までお読みいただきありがとうございました!!