痛みに関する脳領域(pain matrix:ペインマトリックス)その5
その5
【前帯状回(ACC:anterior cingulate cortex)】
◆前帯状回(ACC:anterior cingulate cortex)
・帯状回・・・脳梁を取り巻いている皮質領域➡前・中・後にわけられる
・島皮質、視床髄板内核群(L1)、視床下部、中脳中心灰白質(PAG)、青斑核、結合腕傍核、偏桃体基底外側核からの入力を受けている。
・「痛みに伴う情動の喚起」「痛みに対する反応の選択」「痛み刺激の予知と回避についての学習」「エラーの検出」「身体的痛み、不安、不快の予期」に関与
※大脳辺縁系で生み出される情動を喚起して、痛みに対する反応を選択するのが役割
【腹側】
・情動に関与する領域
・偏桃体からの入力➡PAGや脳幹の自律神経核に投射
・ブロードマン・エリアの24野の吻側、25野、32野を含む
【背側】
・認知に関与する領域
・脊髄や赤核にも投射
・痛みの回避に関与
・前帯状回の活動による痛みの情動的側面には、催眠やプラセボの効果が認められる
・痛みの強度に比例して活性化せず、主観的影響が強い
・痛み刺激の強さは一定でも痛みに対する不快感が強ければ、前帯状回の活動は増加して、痛みの感受性を増強させる
・個人の情動や環境により、痛みの感受性を変化させる領域
・主観的な不快さを反映する領域(主観的な情動変化に対しての影響が大きい)