五十肩
こんにちは。
金田です。
今回は「五十肩」についてですが、五十肩にかんしては、どうやらほとんど研究がされていないらしく、研究が進んでいないため標準的治療(科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であることが示され、ある状態の一般的な患者さんに行われることが推奨される治療)がありません。
なので、
・日本整形外科学会のサイト
を参考にしながら、かねた整骨院での施術を通じた金田の考えも交えて書きます。
五十肩とは
五十肩という名称は正式な医学用語ではなく、実際には「肩関節周囲炎」や「癒着性肩関節包炎」と呼ばれています。
症状としては
- 肩を動かす時に痛みがある
- あまり動かさないでいると肩の動きが悪くなる
- 髪を整えたり、服を着たり脱いだりが不自由になる
- 手が身体の後ろに回せない
- 日中は動かさなければそこまで痛くない
- 夜中にズキズキ痛む
- 寝ていても痛みで起きるときがある
- 眠れないほど痛むこともある
が代表的です。
治療
日本整形外科学会のサイトには
- 痛みが強い急性期には、三角巾・アームスリングなどで安静を計り、消炎鎮痛剤の内服、注射などが有効です。
- 急性期を過ぎたら、温熱療法(ホットパック、入浴など)や運動療法(拘縮予防や筋肉の強化)などのリハビリを行います。
- これらの方法で改善しない場合は、手術(関節鏡など)を勧めることもあります。
と書かれています。
ですが、これでよくならないのでかねた整骨院に相談に来られます。
首、肩、背中と肩関節周囲を徒手療法でゆるめると、そのときは少し楽だと言いますが、基本的にはあまり変化がありません。
かねた整骨院では、温熱療法や徒手療法以外に、「痛いから動かさない、動かさないから動きが悪くなって悪化する」という悪循環を防ぐ(改善させる)ために運動療法(エクササイズ)の指導も行っていますが、痛くて肩関節を動かせない、肩関節を動かした後に痛みが増えるという方がほとんどなので、頚椎胸椎、胸骨~胸鎖関節、肩甲骨のエクササイズを指導しています。
どうすれば治るのか?
では「どうすれば治るのか」という問題になりますが、「なんか分かんないけど、ちょっとずつ動かせるようになって、数年で自然治癒する」という感覚があります。
一般的にもそうなんじゃないかなぁと思っています。
- 炎症が強いときは病院で消炎鎮痛剤をもらう
- 痛みの悪循環を防ぐ(改善させる)ために運動療法(エクササイズ)を行う
- 徒手療法で少しでも楽になるなら、睡眠を確保するためにも必要に応じて施術を受ける
を根気よく行い、時が来るのを待つしかないような感じがします。
他の病気との関係
当院に五十肩で相談に来られる方に、他に治療中の病気はないかを聞くと
- 糖尿病
- 糖尿ではないけど血糖値が高い
という方が結構います。
「五十肩と糖尿病の関係性は偶然なのかなぁ」と思っていましたが、山田悠史さんの記事に「糖尿病の人のうち、五十肩を発症する人の割合は10%を超え、最大約20%にも上るとの報告があります」と書かれていて納得しました。
私の勉強不足なだけで、関連性があるということが分かっていたんですね。
糖尿病以外にも「五十肩の発症と関連のある病気・状態」 として
- 甲状腺疾患
- 脂質異常症(コレステロールの異常)
- 脳卒中
- 自己免疫疾患
- パーキンソン病
- 肩のけが
- 長期にわたり肩を動かさないこと
があげられています。
なかでも、甲状腺の病気を持つ人は最大で2. 7倍ほどまで五十肩のリスクが上昇する可能性が指摘されているとのことです。
まとめ
病気のメカニズムが詳しく解明されていないし、標準的な治療も存在しない五十肩ですが、「多くの方が数年で回復する」という事実が存在します。
私が五十肩で相談に来られる方に行っている施術の話ですが、皆さん困っているのは「痛み」なので、まずは急性痛と慢性痛に分類し、患者さんの要望にお応えする形をとっています。
急性痛(発症から2か月)は
- 炎症が酷いなら消炎鎮痛剤を病院で処方してもらう
- 痛みの悪循環を防ぐためにできる範囲で運動療法
- 痛みが酷いなら安静
- なんとか睡眠を確保する
- 温めたり徒手療法で少しでも気がまぎれるなら必要に応じて活用する(民間療法)
慢性痛(3か月以上)は
- 運動療法(エクササイズ)
- 認知行動療法などの心理療法
- 生活習慣の見直し
- 必要に応じて痛み止め(病院)
- 温めたり徒手療法で少しでも気がまぎれるなら必要に応じて活用する(民間療法)
という感じです。
しんどい五十肩ですが、「多くの方が数年で回復するという事実」があります。
「○○療法で五十肩は治る!!」に騙されず、仕事など日常生活が少しでも楽に過ごせるように、自分に合ったコンディショニングをコツコツ続けるのが一番だと思います。