頭痛 その1 ~二次性頭痛を見逃さなように~
こんにちは。
かねた整骨院の金田です。
今回から、数回に分けて頭痛について書いていきます。
頭痛の分類
悩まれている方が多い頭痛ですが、国際頭痛学会が発表している国際頭痛分類では、
一次性頭痛
1,片頭痛
2,緊張型頭痛
3,三叉神経・自律神経性頭痛
4,その他の一次性頭痛
二次性頭痛
5,頭頚部外傷・傷害による頭痛
6,頭頚部血管障害による頭痛
7,非血管性頭蓋内疾患による頭痛
8,物質またはその離脱による頭痛
9,感染症による頭痛
10,ホメオスタシス障害による頭痛
11,頭蓋内、頸、眼、耳、鼻、副鼻腔、歯、口あるいはその他の顔面・頸部の構成組織の障害による頭痛または顔面痛
12,精神疾患による頭痛
有痛性脳神経ニューロパチー、他の顔面痛およびその他の頭痛
13,脳神経の有痛性病変およびその他の顔面痛
14,その他の頭痛性疾患
となっています。
なんか色々難しい表現ですが、
- 一次性頭痛・・・いわゆる頭痛
- 二次性頭痛・・・明らかな原因がある頭痛
です。
明らかな原因とは、クモ膜下出血、脳出血、脳腫瘍、髄膜炎など脳の異常と、副鼻腔炎(蓄膿症)、帯状疱疹後神経痛など脳以外の異常になります。
頭痛が出たとき、この二次性頭痛を見逃してはいけないので、まずは医療機関の受診をおススメします。
二次性頭痛のレッドフラッグ
二次性頭痛のレッドフラッグとして、「SNNOOP10リスト」というのがありますので、参考にしてください。
1,発熱を含む全身症状
かぜをひいても発熱しますが、それに項部硬直(くびが硬くなる)や意識がぼんやりするなどの症状が現れた場合には注意が必要です。髄膜炎や脳炎を疑って早期に検査を行う必要があります。
2,新生物の既往
新生物(悪性腫瘍)の既往がある方の場合、脳転移を考えておく必要があります。特に嘔吐やめまい、ふらつきなども伴う場合にはMRIなどの検査を行います。
3,神経脱落症状または機能不全(意識レベルの低下を含む)
脳・神経の損傷によって発生する症状(神経脱落症状)、例えば手足の麻痺やしびれ、意識がぼんやりするなどの症状がある場合、脳卒中など脳の病気による頭痛も考える必要があります。軽い頭痛でも、特に半身の脱力やしびれがある場合には注意が必要です。
4,急または突然に発症する頭痛
突然発症する頭痛、特に1分以内に痛みの強さがピークに達する頭痛を雷鳴頭痛と言いますが、これはくも膜下出血をはじめとする脳血管の病気によって発症することがあります。この場合、脳の血管も含めて検査を行います。
5,高齢(50歳以降)で初発の頭痛
高年齢で特に高血圧や糖尿病などの基礎疾患がある場合には、二次性頭痛を発症しやすい傾向にあります。
6,頭痛パターンの変化または最近発症した新しい頭痛
頭痛持ちの方の頭痛パターンが変化した場合、もしくはいつもと違う頭痛が発症した場合には、新たに別の病気を発症した可能性も考えます。
7,姿勢によって変化する頭痛
頭蓋内圧低下の症状であることもあり、脳脊髄液減少症などで発症することがあります。
8,くしゃみ,咳,または運動により誘発される頭痛
キアリ奇形や後頭蓋窩病変(小脳や脳幹の病気)などで発症することがあります。
9,乳頭浮腫
眼球内にある視神経が腫れた状態を指しますが、眼底鏡で眼の中を確認する必要があります。頭蓋内圧亢進を疑う所見ですが、その場合、視覚障害や嘔吐を伴うことがあります。
10,進行性の頭痛,非典型的な症状を伴う頭痛
頭痛が徐々に強くなる場合、また非典型的な症状を伴う場合にはやはり二次性頭痛が疑われます。
11,妊娠中または産褥期
血液凝固能亢進やホルモンの変化、分娩時の硬膜外麻酔などにより二次性頭痛の発症リスクが高くなるとされています。
12,自律神経症状を伴う眼痛
流涙や結膜充血などの自律神経症状を伴う頭痛は一次性頭痛である群発頭痛の症状でもありますが、緑内障や角膜障害など眼科の病気と見分ける必要があります。
13,外傷後に発症した頭痛
頭部外傷で意識がぼんやりしているような場合には、脳挫傷や出血が起きていることが疑われます。特に高齢者では受傷後、数週間から数ヶ月後に慢性硬膜下血腫を発症することがあります。
14,HIVなどの免疫系病態を有する患者
免疫低下により感染症などの発症リスクが高くなります。
15,鎮痛薬使用過多もしくは薬剤新規使用に伴う頭痛
痛み止めなどの薬の使い過ぎによって元々の頭痛が悪化する「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」も二次性頭痛に分類されます
今回は以上となります。
次回は、緊張性頭痛について書く予定です。
最後までおお読みいただきありがとうございました!!