ストレスと身体の不調(痛みなど)の関係
こんにちは。
金田です。
かねた整骨院のブログへようこそ。
- 痛みなど身体の不調があるけどハッキリとした原因は分からない
- 医療機関で検査したけどどこにも異常がみあたらない
このような場合は、痛みを処理する中枢神経系の可塑的変容が原因と考えられている慢性疼痛(痛覚変調性疼痛)だとも考えられますが、「いわゆるストレス」が関係している可能性もあります。
相談に来られた方に、ストレスが関係していることもあると話すと、「自分には悩みもないしストレスはないですね」とおっしゃる方は多いですが、「ホントにそうなのかなぁ」と思うこともあります。
今回は、ストレスと身体の不調(痛みなど)の関係について書きます。
ストレスとは
ストレスとは、もともと物理学で用いられる、物体の外側からかけられた圧力によって生じた歪みのことを意味する言葉です。
そのストレスという言葉を初めて生理学で使ったのは、ストレス学説の提唱者として有名な生理学者のH.selye(ハンス・セリエ)博士です。
ストレスをゴムボールに例えると、
- ゴムボールを指などで押さえる力をストレッサー
- ストレッサーによってゴムボールが凹んだ状態をストレス反応
- 押された力を跳ね返す力をストレス耐性
となります。
このゴムボールを身体や心に変換すると分かりやすいです。
- 身体や心への刺激がストレッサー
- ストレッサーに適応しようとして、身体や心に生じたさまざまな反応がストレス反応
- ストレッサーを跳ね返す力がストレス耐性
となります。
ストレッサーとは
ストレッサーとは、「ストレス反応を引き起こす刺激」で、
物理的物理的ストレッサー
- 暑さや寒さ
- 騒音
- 混雑
など
化学的ストレッサー
- 公害物質
- 薬物
- 酸素欠乏・過剰
- 一酸化炭素
など
心理・社会的ストレッサー
- 人間関係
- 仕事上の問題
- 家庭の問題
など
があると言われています。
ストレッサーは多岐にわたりますので、自分で「それはストレッサーになってはいない」と思っていることでもストレッサーである可能性もあります。
ストレスと脳
何かしらの刺激(ストレッサー)が加わったとき、一番初めに反応するのは脳です。
私たちの脳の究極の使命は、「生き延びる」こと。
ストレッサーは進化的に古い脳の視床下部に影響すると言われていますが、それによって
- 脳下垂体→副腎皮質→コルチゾール
- 自律神経→交感神経→副腎髄質→アドレナリン・ノルアドレナリン
と、自律神経のバランスを崩したり、ホルモンを分泌することで、
- 闘争反応
- 逃避反応
- 凍りつき反応
- 世話焼き仲間づくり反応(テンド&ビフレンド反応)
という、命を守るための行動を起こしやすくします。
ストレス反応
ストレッサーによって引き起こされるストレス反応は、心、身体、行動の3つの面に分けることが出来ます。
例えば、
【全身の症状】
- 疲労感(疲れやすい)
- 倦怠感(体がだるい)
【行動として現れる】
- 飲酒量の増加
- 喫煙量の増加
- 過食
- 仕事でこれまでなかったミスをしてしまう
【心の症状】
- イライラ
- 不安
- 抑うつ
- 哀しみ
- 怒り
- 気力の低下
- 気分が落ち込む
- 興味や関心の低下
【筋肉系の症状】
- 首、肩、腰のコリ
- 手足のだるさ
- 関節痛
- 片頭痛
【感覚器系の症状】
- 眼精疲労(目が疲れやすい)
- めまい
- 多汗
- 聴覚の過敏(音に敏感になる)
【睡眠障害】
- 入眠困難(寝つきが悪い)
- 中途覚醒(眠りが浅い・途中で目が覚める)
- 早朝覚醒(早く目覚めて再度寝付けない
- 熟睡障害(夢ばかり見て寝た気がしないなど)
【循環器系の症状】
- 動悸(心臓がドキドキする)
- 息切れ
- 脈がとぶ
- 胸の痛み
【消化器系の症状】
- 胃の不快感(胃もたれなど)
- 下痢
- 便秘
- 吐き気
- 嘔吐
- 食欲不振
などです。
認知(評価・解釈)
ストレスを説明するうえで忘れてはいけないのは、「認知(評価・解釈)」です。
認知(評価・解釈)という言葉より、「考え方や捉え方」と表現した方が分かりやすいですね。
ストレスは、
ストレッサー
↓
認知(評価・解釈)
↓
ストレス反応
という構造だと言われています。
つまり、刺激(ストレッサー)が加わると、そのストレッサーに対して何かしらの認知(評価・解釈)をすることでストレス反応が生じますが、ストレッサーは同じでも、それに対する「考え方や捉え方(認知)」は人によって違うので、ストレス反応の出方も人によって違うということです。
どうしたらいいのか?
実際にどうすればいいのかですが、一般的に「ストレスコーピング」が効果的だと言われています。
ストレスコーピングというのは、ストレスを構成する、ストレッサー、認知(考え方や捉え方)、ストレス反応に対処する方法です。
ストレッサーには問題焦点コーピング
ストレッサーそのものに働きかけて、それ自体を変化させて解決を図ろうとする方法です。
例えば、人間関係や仕事の量が多すぎる場合、ストレッサーは「相手」「仕事」なので、「相手から離れる」「仕事を変える」など直接アプローチする方法になります。
ですが、実際に行動に移すのが難しい場合が多いです。
認知(考え方や捉え方)には情動焦点コーピング
ストレッサーそのものに働きかけるのではなく、それに対する自分の考え方や捉え方などを変えようとする方法です。
怒り、悲しみ、不安などの感情を、誰かに話したり愚痴を聞いてもらったりすることで、気持ちを整理したり発散したりする方法や、「私はどうせ〇〇だし…」など、非現実的な自動思考(考え方の癖)を修正していく方法になります。
ストレス反応にはストレス解消型コーピング
ストレスを身体の外へ追い出したり、発散させたりする方法です。
これは、美味しいものを食べたり、旅行に行ったり、マッサージに行ったり、買い物をしたり、温泉に行ったりなど、私たちが「ストレス発散」と呼んでいるものですね。
身体や心のケア
ストレス反応として現れた身体や心のダメージは、必要に応じて直接アプローチするのもいいと思います。
身体のダメージだと、例えば、腰痛や肩こりであれば弛める、胃の調子が悪ければ薬を服用するなどですね。
心のダメージだと、症状が酷い場合は、カウンセラーなどに相談したほうがいいですが、心のダメージもセルフケアができますので、それを実施するのもありです。
心のダメージのセルフケアとして、私は「コレモ(コミュニティー・レジリエンシー・モデル」をおすすめしています。
無料の動画でセルフケアの方法が学べるので、かねた整骨院に相談に来られる方にもおすすめしています。
今回も、最後までお読みいただきありがとうございました。