三叉神経痛
こんにちは。
金田です。
今回は、三叉神経痛について書きます。
三叉神経痛とは
三叉神経は、12対ある脳神経の1つで第Ⅴ脳神経と呼ばれることもあります。
この三叉神経が刺激され、左右どちらか(片側)の三叉神経支配領域のどこかに発作的に激しい痛みが出現する病気です。
医師が行う診断
三叉神経痛には
- 典型的三叉神経痛
- 二次性三叉神経痛
- 三叉神経障害性疼痛
- 特発性三叉神経痛
がありますが、それぞれを説明する前に、医師が行う診断を書きます(慢性疼痛ガイドラインを参考にしています)。
三叉神経痛の診断は、まずは
- 片側の三叉神経支配領域に発作性の痛みが反復して生じるか
- 痛みの発作は2分以内に消失する、電気ショックのようなズキン!と突き刺すような激痛か
を確認します。
ここが確認出来たら
- 洗顔、髭剃り、お化粧、歯磨きなどの軽い刺激
- 綿棒による刷掃検査
- 咀嚼や会話などの運動時の刺激
で痛みの発作が誘発されるかを確認します。
これらが確認できれば三叉神経痛と診断されます。
典型的三叉神経痛
上記の診断をふまえた上で、MRIや電気生理学的検査を行い、MRIで三叉神経の根っこ(入根部)に上小脳動脈を好発とする微小血管による圧迫が確認されれば、典型的三叉神経痛と診断されます。
二次性三叉神経痛
微小血管による圧迫ではなく、多発性硬化症や脳腫瘍が原因の場合は二次性三叉神経痛と診断されます。
三叉神経障害性疼痛
帯状疱疹や神経そのものが傷ついた(手術など)のが原因の場合は、三叉神経障害性疼痛と診断されます。これは神経障害性疼痛なので、痛み以外に、痛覚過敏や痛覚鈍麻(感じにくい)などの感覚障害も生じます。
特発性三叉神経痛
MRIや電気生理学的検査で血管による圧迫も脳腫瘍なども見当たらないし、神経障害性疼痛でもない場合、つまり、三叉神経の症状はあるけど検査で異常は見当たらない場合は、特発的三叉神経痛と診断されます。
※今現在の特発性三叉神経痛は、過去の特発性三叉神経痛とは病態が異なっています。
これらは、国際頭痛分類第3版(ICHD-3)や国際口腔顔面痛分類第1版(ICOP)に記載されているらしいですが、私の手元にはないので、慢性疼痛ガイドラインに記載されているものを参考にさせていただきました。
私の解釈が間違っていた場合は、どなたか教えてください。
整骨院ではできるのか
三叉神経痛に対して、整骨院や整体などの民間療法で何ができるのか?ですが、典型的三叉神経痛・二次性三叉神経痛に関しては民間療法でできることはありません。専門の医療機関が頼りです。
三叉神経障害性疼痛は、神経障害性疼痛という慢性疼痛なので、医療と連携し患者さんが痛みをセルフコントロールしながら生活の質と日常生活動作を向上していくお手伝いができると思います。
特発的三叉神経痛は、三叉神経の症状はでているけど原因が見当たらないので、歯痛や副鼻腔炎なども除外されれば、筋筋膜性疼痛(筋痛症)の可能性があります。
その場合は、顔の筋肉などにトリガーポイントがあるかどうかを確認し、筋痛症に対するアプローチで対応できると思います。
まとめ
「私は三叉神経痛なんじゃないか?」と思ったら、まずは脳神経外科を受診して診断を受けた方がいいです。
整体や整骨院にも、「三叉神経痛の症状を緩和します!」をうたっているところもありますが、まずは医療機関での検査が最優先ですね。
神経を圧迫する原因が見当たらない場合も、歯科や耳鼻科でも検査してもらい、それでも異常が見当たらない場合は、筋痛症の可能性があります。
その場合は、筋筋膜性疼痛・トリガーポイントを知っている整体院や整骨院などに相談してみてもいいと思います。
かねた整骨院は、筋筋膜性疼痛・トリガーポイントへのアプローチを15年以上行っていますので、気になった方はお気軽にご相談ください。