ゆるめる場合は非侵害刺激
私たちの身体には脊髄反射という大脳の指令を受けることなく起こる反応があります。
代表的な脊髄反射に、伸張反射や屈曲反射があります。
熱いヤカンにふれたとき反射的に指を引っ込める動きも脊髄反射です。
脊髄反射を利用すると脳に信号が行かないので、脳へのストレスが減ります。
科学的な筋トレの方法に、伸張反射を利用して脳にストレスをかけず、筋肉だけに効率的に刺激を与える方法がありますが、逆に言うと、脳がしんどく苦しんでいると、この脳の指令を受けることなく起こる反応を利用して、脳を楽にしようとしていると考えることができます。
整体的な視点からみると、脳がしんどくなっている場合は刺激に敏感になりますし、身体も余分に緊張しています。
そのような状態のとき身体に触れる場合、急に掴んだり押したりすると、脳がしんどくなっている分、負担を減らそうと反射しさらに緊張が強くなります。
鎮痛という視点だけでみた場合、「痛い・強い(侵害刺激)」と脳や身体が感じる刺激を加えることで、DNICという反応を利用していると捉えることができますが、「脳や身体を弛める」場合は、脳や身体にとって、やさしい、気持ちの良い刺激(非侵害刺激)を加え、さらにその「心地よさ」を味わってもらうことが大事です。
やさしい気持ちの良い刺激を加え、その心地よさを味わうことで脳が楽になってくると、過度に反射を利用せずに済むようになるので、身体も楽になってきます。
セルフケアをする場合は、自分の身体に問いながら、教えてもらいながら感覚を大事にし、弛めてみてください。